漫画家の押切蓮介さんが怪談師としてついにキター!『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第50回!
第50回のゲスト怪談師は、押切蓮介さんと黒木あるじさん。
かつて以下の記事でも紹介した押切蓮介さんが、怪談師としてこの番組に参戦というのは、私にはめちゃくちゃ嬉しい!
「ついにキター!」という感じ!
・・・ではありますが、押切蓮介さんって、以下の作品集に収録されている
『招かれざる聞き手たち』という短編マンガで、
怪談師というものの文化に喧嘩を売るようなストーリー展開をやったことのある方ですからね。この番組に登場した怪談師さんの中ではかなり異色の方と言えるのではないでしょうか?
などという余計な心配をしつつ鑑賞した、この第50回。期待通り、押切蓮介さんが独自の路線に全てを持って行ってしまいました!w
さて、以下にて、今回の怪談にも寸評を入れていきます!なお今回のタイトルは「家族にまつわる怪談スペシャル」とのことです。いろんな意味で押切さんにピッタリなテーマだ。
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認識(上間月貴さん)
ドアを開ける前から「あれ?どかなくちゃいけないな」と身を引いたというこの話の主人公の直感が、「認識」というタイトルなのでしょうか。同じ家ではその後もまだ何かが続いているとのことで気持ち悪い。
お風呂場にて(押切蓮介さん)
ひたすら名前を呼ばれる、それだけという、シンプルな体験談。司会の狩野英孝さんが言った通りです、「こういう、どうにもオチがないハナシの方が、リアルな実話怪談って感じがします」よね。私もそう思う。ウソも盛りもかんじられない、ご本人の記憶の中でゾクゾクと「生きている怪談」なのでしょう。
わらう(黒木あるじさん)
心霊うんぬんというより、何かサイコ系というか、精神世界の闇を感じる話。よく聞けば聞くほど、どうも話の脈略が変なのです。個人的には奥さんよりも旦那さんのほうに何か危険が迫っているのでは?とゾッとしてしまう。
トランシーバー(押切蓮介さん)
これまたリアルな押切さんの実体験。このハナシそのものも面白いのですが、終わった後の、怪談社糸柳さんの解説に出てきた、「テレビドラマ」の話が必聴です。怪談とはそういうところに生まれていくのだ、と。
おばあさん(黒木あるじさん)
これまた、話の脈絡がなんかおかしい。怪奇現象というよりは、このハナシを居酒屋でしていたという「サラリーマン」の心の中に何が起こっているのかがとても不安になる。
父親(押切蓮介さん)
さあ、これが問題の怪談。この話は押切蓮介さんが『赤い家』および『オバケなんていないさ2』という短編漫画にしています。ある意味で、現代最強の怪談。この怪談についての細かい解説は、こちらの別記事で私も熱く語っております↓
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今回は以上の6話が収録されておりました。
圧倒的だったのは、やはり、押切蓮介さんの「父親」でした。これを受けたら、さしもの上間月貴さんも、苦笑いして事実上のノーコメント。ホラーではないのに、「人生の不条理」という意味で凄すぎて何も声がかけられません。
怖くて切なくてバカバカしくて、それゆえにどうしようもなく絶望的なオチ。『家族にまつわる怪談スペシャル』という今回のコンセプトに、間違いなく、ドンピシャでハマっていた押切蓮介さんだったのでした!
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