見出し画像

「ラテンアメリカ文学のマジックリアリズムってなんなんだ?」という率直なツッコミに共感しました

私が有料購読している音楽誌LATINAさんのマガジンで「私が選ぶラテンアメリカの本」という特集をやっているのですが、

↑こちらの回で、ラテンアメリカ文学を語るときのキーワード「マジックリアリズム」について「どうも腑に落ちていない」と言い、続けて、

そういえば、現地の人たちは、ラテンアメリカ文学を語るときに、敢えてマジックリアリズムを強調してない。それは彼らの方が小説よりもマジックリアリズムだからか?

と書かれていたのに笑いつつ、共感しました。いや、確かにね。

スペイン語学習者にしてラテンアメリカ文学とも長い縁の私としても、「マジックリアリズムとはなんですか?」と聞かれたら、いまだに「僕にもようわからん」と答えるしかない。

ただ個人的には、結局ガルシア=マルケスとかカルロス・フェンテスとかの「あの」作風に近いものが、ラテンアメリカのマジックリアリズムなのだ、とは思っています。これは結局チャーリー・パーカーのスタイルに似ているジャズが「ビバップ・ジャズ」と呼ばれ、カート・コバーンのスタイルに似ているロックが「グランジロック」と呼ばれるのと同じ理屈な気がする。頂点の人気を誇るアーティストとの類似点で計測されている。

だから不思議なことに、私は「マジックリアリズムとはなんですか?」と聞かれても答えられないのに、「この作品はマジックリアリズムですか?」と聞かれると、評価できる。

この基準でいうと、イザベル・アジェンデやバルガス・リョサはマジックリアリズムだと思う。しかしアルゼンチンの多くの作家、ボルヘスやコルタサルやビオイ=カサーレスは、私の基準ではマジックリアリズムではなくて、ヨーロッパモダニズム文学の正統な後継者たち(それってつまりポストモダニズム?)だと思います。人によって異見あるところでしょうが、少なくとも私の基準ではそうなる。

で結局、「マジックリアリズムってなに?」

結局ようわからんが答えです。でも小説のスタイルの呼称など、そもそも曖昧なところが強みとも言える。

▼参考:私が、間違いなく「これはマジックリアリズム」だと思えるもの▼


子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!