【古代中世言語をやっている人ゆえのつぶやき】ギリシアローマ・ビザンチン帝国とロシアとの深い関係の話

中国と演習中のロシア軍機が竹島に接近して韓国に警告射撃され日本が抗議したという、もはや二重三重にややこしいニュースが入ってきておりますが、

あまりにも奇怪すぎるこういうニュースは素直に続報を待つしかないとして、、、

私としては現代の騒がしい情勢に右往左往せず、引き続き古代ギリシアや中世ラテンの世界に埋没したいところです。

、、、埋没したいところなのですが、古代ギリシア→中世ビザンチン帝国の歴史を追っている身からすると、現代ロシア関連のニュースはやはり気になって無視できないところがあるので、結局、話はややこしい。そこで以下の話をまとめてみました。

なんの話かというと、これはかつてのロシア帝国が自分でも言っていたことなのですが、古代ローマ帝国を第一ローマ、ビザンチン帝国を第二ローマとカウントすると、コンスタンチノープル陥落後に正教会を保護したロシア帝国(当時はモスクワ大公国)こそが第三のローマ帝国であるという話のことです。

西欧史を中心に見るとめちゃくちゃ違和感がある歴史解釈かと思いますが、実はビザンチン帝国の位置づけをよくよく考えてみると、意外に納得感があったりします。

むしろ西欧の神聖ローマ帝国やフランス王国よりは「第三のローマ帝国を名乗っても良いだけの歴史的根拠はある」。ビザンチン帝国がトルコに滅ぼされた時に結論としては西欧側は何もしなかったわけですからね。もっともこのテーマを言い出すと、ギリシア、ブルガリア、セルビアも「第三のローマってのはウチのことだよ?」と主張してくるので大変な迷宮にハマっていきますが。

まったくもって歴史というものは、遠近法の取り方しだいで見え方がコロリと変わる厄介なものです

さて、古代ギリシア語や中世ラテン語の愛好家として世界史を見ている私には、この話、どう見えているかというと、

・初期キリスト教やギリシア哲学を継承したのは西欧だけじゃなく、東欧やロシアにおいて継承された流れもあることはその通りだし、もっと知られるべき話
むしろ連続性(マジメに引き継がれているという意味で)でいえば、こちらの流れのほうがオリジナルに忠実かもしれないとも思う
・だからロシアが、ローマの、特にビザンチン帝国の継承者を言うことにはあまり違和感がない。むしろ古代中世ファンとしてはビザンチン時代の文化遺産が継承されているというのは頼もしい
だからというて東アジア近海を荒らすのはやめてほしい

まあ何を考察したところで、昨今の国際情勢を見ると、最後の結論は変わりませんが。

かのビザンチン帝国の後継者としてロシアを見ると、西欧中心の世界史観では見えないいろんなことが見えてきてとても面白いはずなのですが、それをやると現代の政治ニュースに右往左往させられることは確実。どうにも歴史と政治の関係というものは厄介です。

ともあれ「ロシア側にはロシア側の歴史観がある」ということだけでも知っておくと、奇怪な現代政治のニュースを見る上でも多少役に立つことがあるかもしれない、というお話でした。

国際政治というもの、意外に歴史解釈の綱引きで動いているところがあるもののようです。だからというて東アジア近海を・・・(以下繰り返し)

子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!