「人形殺しを見た」というハナシの完成度が凄かった『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第26回のこと
怪談の世界とは深くて広くて侮れない。
基本的に「ほんとうにあった怖い話」というのは、物語としては曖昧模糊としたものが多いのですが(むしろ起承転結がハッキリしていると「これは作り話だな」と見抜けてしまいますが)、
たまに、妙に印象に残る、「物語としてもなんだかよくできた」展開になっている実話怪談というものもあり。そういうのがたまにあるから、面白い。
面白いというなら、『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第26回の「人形殺しを見た」という怪談がめちゃくちゃ面白かった。
部屋に美少女人形を隠し持って愛でているオタク君のハナシなのですが、二重三重の、話の「切り返し」があります。「え?そういうハナシになっちゃうの?」と聞く人を戸惑わせておいて、最後には、「ああ、なるほど」と納得感がある。
これは面白かったし、傲慢でイケすかない感じの主人公が最後に痛い目を見て反省する、という、解釈によっては道徳的な寓話とも取れる展開が、いささかのカタルシスさえもたらします。
今回のゲスト怪談師は、郷内心瞳さんと村上ロックさん。
収録怪談は、
砂利道
人形殺しを見た
留守電
ひとりぼっち
おとしもの
となります。
私としては、「人形殺しを見た」の他には、「留守電」の、人から人へと伝染していくような怪異のハナシが、興味深かった。
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