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【漫画の海外展開の話のつづき】市場規模を度外視するなら「フランスでの日本漫画」事情は希望のニュースかもしれない!

前々回は、経済産業省のデータをもとに、「日本の漫画の海外展開は厳しい」という話をし、

前回は「そもそもドイツの事例を見る限り、日本の漫画を読むという習慣づけはまだまだ難しい」という話をしました。

絶望の話を二回やったあとで、少し希望のある話をしましょう。「フランスの例外」という事象についてです。

「フランスの例外」EU圏でフランスだけは日本漫画に異様に熱心?!

「フランスの例外」(French exception)という用語自体、海外サイトで見つけたものですが、「どういうわけかフランスの出版社だけは日本漫画輸入に前のめり」な傾向を言います。

ハイ、アニメだけじゃなく「漫画も」です!前々回までは「海外でお金を稼いでいるのはアニメであって漫画ではない」というデータばかりでしたが、やっと例外をひとつ見つけました

以下のサイトによると、2011年のフランス国内で出版された「コミック」の中で、40パーセントが日本の作品だったとか。

フランスにも国産のコミック文化(バンド・デシネ)はありますし、アメコミの輸入もあるのに、日本勢はこの健闘。

フランスは何が違うのか?あくまで仮説立て

この理由は、ハッキリ言ってナゾですが、あくまで私見で仮説を述べるなら、こういうところが思いつくところ。

ヨーロッパ随一の多民族国家であり、比較的アジア人も多い市場である

・もともと異文化のアートやファッションの輸入に積極的なお国柄。十九世紀に日本の「浮世絵」ブームを起こしたのもパリだった。

・ハイカルチャーとサブカルチャーを合体させて新しい表現を生む、という発想が好き。「漫画という手法を使ってより奥深いものを表現しよう」とする日本漫画の職人気質が合っているのかもしれない。

あくまで印象論ですが、このあたりの仮説を立証するデータやニュースを探していくと、もっと細かいところが見えてくるかもしれませんね。

唯一の弱点は相対的な市場の小ささ。お金儲けなんて無視でいいなら日本漫画にとって希望あり

日本漫画にとって有益な市場に見えますが、問題点もあります。

・アメリカとか中国とかインドに比べれば小さい市場

・今後の人口の伸びもあまり期待できない(これはどこの先進国も同じですが)

・いろんな異文化のアートが好きな人たちであって、「日本漫画だけが好き」なわけではない。アフリカのデザインやら香港映画やらにも興味を持つ多趣味な国民が、「日本にも面白いものがある」と飛びついている構図。増長したらすぐ見放される。

というわけなので「お金儲けの相手となると難しい」かもしれません。

でもまあ、前々回、前回の記事で「日本漫画には限界がある」という指摘をした後に、フランスの例外という話を見つけてきたわけですから、

フランスに関してはお金儲けではなく、日本の良い作品をもっともっと紹介して、この人気を維持することが大事ではないでしょうか。

直感的には、アメリカやドイツでは流行らないような「アートで先鋭的な漫画」が、フランスではちゃんと評価されている、なんてこともあるかもしれませんね。調べてみないとなんとも言えませんが。

というわけで、引き続き、フランスの事情を掘ってみます!

子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!