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つまりプロ意識ってこういうこと。

 寝苦しい夜。なかなか体温が冷めやらぬ時は寝つきも悪くなる夜。私は眠くなるまで漫画を読む癖が子供の時に身に付いていて、大人になった今でもその癖は抜けずにいる。

 久々に漫画にハマった。この『まどろみバーメイド』は3人の女性バーテンダーがシェアハウスしながらそれぞれの仕事の流儀や人との出会いを通じたドラマを描いた作品だ。どうやらテレビドラマ化もされているらしい。

 いま4巻まで読み終えているのだけど、これがまた面白い!カクテルの知識もさることながら、仕事に対する意識や考え方、接客業の回し方まで、かなり綿密な取材に基づいて作られていることがよくわかる。

 3人のバーメイドたちはそれぞれ異なる環境で働いている。雪は自分で屋台を引いて毎日異なる場所で営業し、日代子はカクテルを作る過程を魅せるフレアバーテンダー、騎帆は超一流ホテルのバーテンダーといった、三者三様なところがまた面白い。カクテルはバーテンダーの数だけレシピがあるといい、雪はお客に応じたオリジナルカクテルを追求し、騎帆はホテルの風格と定められたレシピ通りの完璧なカクテルを出すことに拘る。これはお客が何を求めているのか、といったところが本質であり、それこそがプロフェッショナルなのだと思う。4桁を超える金額で飲むお酒に求めるのは、約束された対価に見合った味。3桁であってもサプライズを得られ、一期一会のカクテルというのも素敵なものだ。

 なかなか大手を奮って飲みに行けない中、漫画を通じてお酒の楽しみ方を知るというのもなかなかに楽しい。そして、次に飲みに行く機会もまた、更なる楽しみになるのだ。

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