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コミュニケーションツールとしてのFIKA

世界で最もコーヒーを消費するといわれる北欧では、コーヒータイムは大切なひとときです。仕事の合間や友だちや家族と集まってお茶をいただく時間をスウェーデン語でFIKA/フィーカと言います。簡単なクッキーやケーキと一緒にコーヒーをいただいたり、手作りの焼き菓子と一緒に楽しんだり、オフィスでは企業側がコーヒー/お茶やお菓子を準備します。

オフィスではスタッフ同士のコミュニケーションと効率アップのため
オフィスでは、午前10時と午後3時ごろにFIKAタイムがあります。オフィスにはFIKA用のパンやクッキー類が用意されていて、時間になるとスタッフたちが一息入れるためにキッチンにやってきます。仕事の手を休めることは、仕事を効率的に続ける上でとても重要です。

FIKAタイムは、スタッフ同士のコミュニケーションの役割も果たしています。お菓子とコーヒーやお茶をいただきながら、その場に集まっている普段顔を合わさない他の部署のスタッフたちとも他愛のない話しをします。ここでは、仕事以外の話しをする方がいいようです。とはいえ、現在抱えている仕事の話題になることもありますが、ミーティングと違って和気あいあいとした雰囲気なので、深刻にならずに言いたいことが言える場合もあるようです。日本では仕事の後に飲みにいってコミュニケーションを取りますが、北欧では仕事中のFIKAでコミュニケーションを取ります。

お誕生日には自らバースデーケーキを用意
毎週金曜日の午後など、時間を決めて職場の従業員全員が集まる本格的なFIKAタイムを設けます。その時間には急ぎの仕事がない限り、スタッフ全員がキッチンに集まります。誕生日の人が自らがケーキを持参し、スタッフたちにふるまうという習慣もあります。

FIKAでいただく焼き菓子の伝統
プライベートな時間でも、家族とともに一息入れるFIKAタイムは、家族のコミュニケーションを図る大切なひとときです。祖母から母や娘や息子へ、その家庭ならではの伝統レシピもあります。スイーツ好き男子が祖母や母から教わったレシピでケーキを焼くこと話しもよく聞きます。

お友だち同士では、お気に入りのカフェでFIKAタイムを楽しんだり、手作りのお菓子を持ち寄ってお友だち同士が集まります。そのときの合い言葉が”Ska vi fika?”です。カフェやベーカリーには必ずFIKA用のお菓子があり、量り売りが主流です。お気に入りの焼き菓子を好きなだけ買い求め、FIKAタイムに彩りを添えます。

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FIKAの7種類の焼き菓子
昔ながらのFIKAでは7種類の焼き菓子を出すという習慣があり、代々続く焼き菓子のレシピを持つ家庭もたくさんあります。昔はFIKAのお菓子に食べる順番があったそうです。実はFIKAより以前に流行ったカフェレープの名残です。正式にはシナモンロールなどの甘いパンから始め、次にクッキーなどの焼き菓子、最後にプリンセスケーキなどのデザートケーキで締めくくります。FIKAのお菓子は足りなくなることが失礼にあたり、食べきれないくらいたくさんお菓子を並べるのが、昔の正式なおもてなしだったようです。都会ではそのようは習慣はほとんど残っていませんが、地方ではそのことにこだわる人もまだいるようです。

by Y


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