見出し画像

2020年、出会えてよかったもの

2020年に出会えてよかったものを備忘録的にまとめています〜
興味のあるところからお気軽にどうぞ!

文章・書籍📚

今年読んだ書籍や記事の中で印象に残っているものを中心にまとめていきます。

自分の個性、自分らしさを大事にと言われていますが、その個性や自分らしさが何なのか、実は誰にもわからないところに、平成らしい『見えない対立』の種が眠っていると思いました。~世界から順位をつけられる苦しみを手放す代わりに、自分で自分を見つけなければならない終わりのない旅の始まりの部分です。これまでもそのような自意識については書いてきましたが、今回は、その先にある自滅精神、さらにそれが転じて発生する社会や他者への攻撃性の爆発について書きたい気持ちが強くありました。『対立』は見えなくなっただけで、ずっとそこにあり続けているんです。

人と比べなくていい、多様性だと言われたところで、どうしたって自分を人と比べてしまう、他者や世間の平均値からの差異でしか自分の輪郭を感知できない人間の弱さです。自由研究と言われると何をしたらいいのかわからなくなるように、外から順位をつけられたり、あなたはこうだよと決めつけられたりする機会が全くなくなると、むしろ、それまでは何かに置き換えることができていた自分自身の存在価値や意義をずっと問い続ける感覚が強まるのではないでしょうか。

「他者や社会から『お前は男だからこうだ、女だからこうだ』と言われるつらさは、焼き印を押されるような、外から火傷を負わされるような痛みだと思います。誰が見ても傷の在り処がわかる痛みです。 ただ、多様性礼賛の世界の中にいながら自分を誰かと比べ続ける矛盾、自分で自分の意義や価値をジャッジし続ける行為は、内側から腐っていくというか、外から見ても傷の在り処がよくわからないんですよね。だから、甘えのようにも感じられる」
(記事中より一部抜粋)

友人のシェアで知った記事です。
現代社会の生きやすさと生きにくさみたいなものを、手触り感のある形で言語化してくれていて、かなり印象的な文章でした。
定期的に読み返している記事です。

🍎

批評は「方法や理論ではなく、生きられるほかないもの」と柄谷が批評を定義したことは、つとに有名である。「生きられるほかない」というのを、彼は「夢の世界」という論考で、マルクスに触れて『たとえわれわれがどんな認識をもっていようが、われわれはなにより先ず資本制社会という「夢」のなかにあり否応なくそこで動かされている』と表現している。つまり、柄谷は自身の実存が単に構造の内部でなぜか動かされているだけにすぎず、そこには実存の根拠が欠けていることを指摘している。

ポストモダンでは、わたしと思想と社会を一直線に結びつける大きな物語が解体され、断片的な趣味の共同体=コンテクストの乱立状態が訪れる。そこで批評家は、自らの立場から社会の全体性を包含する立場へと跳躍する小林秀雄以来の伝統を維持することはおよそ不可能になる。したがって、「わたし」の立場を語ることが「社会」的な意味付けによって担保されないポストモダンにおいては、批評を語ることには根拠がなく、誰へ向けてなぜ語るのか、も不明化していってしまう。

結論から言えば、批評を〈他者〉に届けるものではなく、〈他者〉が使えるものにする態度変更によって、というのがその答えになるように思われる。東は最初の主著『存在論的、郵便的 ジャック・デリダについて』の狙いについて、時枝誠記の「詞」と「辞」の区別に触れた上で、次にように語ったことがある。

明晰な暗号が埋め込まれたテクストは、〈他者〉へ届けられると同時に、複数のコンテクストの記憶(幽霊)へと読者を誘惑するツールとなる。つまり、東は批評をただ〈他者〉へと届けるものとしてではなく、共同体の成員が誘惑され、〈他者〉として外へと踏み出すために「使える」ものにするのである。〈他者〉への冒険ではなく、〈他者〉の冒険を支援するツールとして、東の批評はあるのだ。
(記事中より一部抜粋)

この文章がなぜ印象に残ったのは、自分の研究関心に依るところ大きいです。
最近の主な関心として、
「物語としての情報のまとまり(マンガ・小説・映画・演劇・アニメなど)と知識としての情報のまとまり(ビジネス書・新書・論文など)に対して働いた人の解釈行為に触れることで、人の興味はどのように拡がり・深まるのか?」
というのがあり、批評的なものが自分の中で価値や意味を持つようになってきたというのがありました。

今は、こちらの本を読んでいます。
2021年は批評について、意識的に取り組んでいきたいなと思っています。


🦍

がっつり引用してたりすると結構な文量になってしまい、書ききれないことを悟ったので、以下は出会えて良かった本を軽めに紹介していきます〜💨

鈴木康広さんのコンセプトスケッチがめちゃ好きです。
・思考の視覚化
・言葉にすると落ちてしまいそうなものをいかに伝達するか?
みたいな部分は自分がデザインをやっている上での興味関心の一つかなと思います。

ムナーリは一つの目標というか、指針にしています。
2021年はムナーリ関連の書籍とか取り組みとかをもう少し追っていきたい。

研究室のボスの書籍です。
学習環境デザインの理論・事例・実践についてまとめられています。
個人的には3層のデザインの部分が印象的でした。

画像4

展示🗒

あまり多くの展示には行けなかったのですが、今からでも行けるものを中心に印象に残ったものを2つほど。

何を、何のために、何に翻訳するのか?
という問いと答えのバリエーションの豊富さが面白かったです。
伊藤亜紗さんの身体感覚の翻訳が印象的でした。

🐪

銀座の日本デザインセンターでやっている展示です。
コンセプトスケッチとデザインアウトプットの接続が素敵すぎました。

画像2

画像1



マンガ💬

Twitterとかでも結構言ってるので割とサクッといきます。
個人的なベストはこの辺りです。

俳句・小説・研究・詩などなど、やってみたいけどあまり手を出せていない領域に近いものが多い気がします。
(研究はちゃんとやらねばいけませんw)
🍡

以前に1回読んでかなり印象的だったものをもう一回読み直すみたいなことも結構しました。
この枠でのベストは『プラネテス』でした
毎年1回くらい読みたいなという感じです。読むたびに感じ方が割と変わりそうという意味で。


音楽🎧

音楽は熱く語ったりするほどの知識とかは全然ないんですが、これはずっと聞いちゃいそうだな〜というのにいくつか出会えたのが良かったです。
友人に勧めてもらったものがだいぶ多いです。感謝🙇‍♂️

MOROHA

癖は結構強いです。
徹夜でわりとやばい時とかにリピートして聞いて、自分を奮い立たせてます笑。

マカロニえんぴつ

『君は放課後インソムニア』のMMV(マンガミュージックビデオ)を歌っているところから知ったのですが、どの歌も結構刺さってて結構聴いております。

カネコアヤノ

2020上半期はひたすら聴いてました。
このインタビュー記事で結構好きになってしまった記憶があります。

「あなたのために100%でいつも歌うことが私のことも救うし、あなたのことも救うなら、それを生み出しちゃった責任は私が取らなくちゃ」って。
「私のために歌ってるんだ」ってみんなに思ってもらえたらと思う。
「あなたに歌ってるよ」って言い切れるので、私は。

この辺りがカッコ良すぎて痺れちゃいました。


ラジオ📻

ステイホーム期間で一気にハマりました。radiko、Spotify辺りで聴いてます。

霜降り明星のオールナイトニッポン0

せいやがマンガ・アニメ好きで、ナルト、アイシールド、ワンピースの話とかが出てきたりするのが個人的には好きです。

このnoteで魅力がめっちゃわかります🙌
望月さんのnoteはどれもおもしろいものばかりなのでぜひ!


CREADIO

nendoの佐藤オオキさんとクリス智子さんのラジオです。
がっつりデザインの話をするわけではないですが、ゆるゆる感が好きです。

POP LIFE: The Podcast

自分の中では、カルチャー枠のラジオです。
音楽、映画、マンガなど様々なポップカルチャーについてのお話がされてます。
チェンソーマンの回があるのですが、それを聴いて流石に読むか...となりました。

Takram cast

デザイン・イノベーション・ファームTakramがやっているポッドキャストです。事例収集、未来洞察的に勉強になる内容がとても多く、ゆるゆる聴くというよりは割とちゃんと聴いてしまうことが多いです。

innov.radio

ステマです。ものづくりをしている友人と始めたPodcastで、それぞれの関心のあるテーマについてゆるゆる雑談をしています。
Spotify,Apple Podcastなど各種で聴けます。

⛳️

画像3


読んでいただきありがとうございました🙇‍♂️
みなさんにとって、2021年が良い1年になりますように。


この記事が参加している募集

#コンテンツ会議

30,752件

🐯 🐫 🍡 🦍 🦁