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時間経過すると伝えたい情報が記憶に残る!?『スリーパー効果』


■『スリーパー効果』とは?

時間が経過すると情報源への不信感が薄れて情報への信頼が高まる心理事象

『スリーパー効果』とは、信頼性の感じない情報源から得た情報であっても、時間の経過とともに情報源に対する信憑性や不信感が薄れ、情報に対する信頼性が高まり意見や態度が変容する心理事象のことです。
認知バイアスの一つとして知られています。

■スリーパー効果の由来

アメリカの心理学者によって提唱された心理事象

スリーパー効果は、アメリカの心理学者であるカール・ホブランド氏とワルター・ワイス氏によって、1940年~1950年代頃に提唱されました。

諸説ありますが、時間の経過とともに情報源の疑わしさが「眠ってしまう(スリープしてしまう)」ことから『居眠り効果』や『仮眠効果』とも呼ばれ、また、敵国に潜んでタイミングが来るまで一般人のフリをして暮らすスパイ、すなわち「スリーパー」にちなんで『スリーパー効果』と呼ばれるようになったという説もあります。

◆効果を実証した実験

雑誌記事を用いた意見変容実験

提唱したカール・ホブランド氏らによって行われた実験が有名です。

その実験とは、大学生に「抗ヒスタミン薬の是非」を含む4つの記事を読ませるというもの。
記事が掲載された媒体は学術誌と大衆誌の2種で、それぞれ最後の結論箇所だけ肯定的なパターンと否定的なパターンと異なる結論が記載されているものでした。

記事を読んだ直後に記事内容や自身の考えについて質問したところ、学術誌と同じ意見に変わった割合は大衆誌の場合のおよそ2倍の差がありました。
実験に参加した大学生のうち、約94%が学術誌を「信頼できる」と捉えた一方で、大衆誌を「信頼できる」と捉えたのは約6%。

しかし記事を読んだ4週間後に、大学生らに同じ質問を投げかけたところ、学術誌が信頼できるという割合は減少し、大衆誌が信頼できるという割合は増えるという結果に。

このことから、記事を読んだ直後は「情報源」への信頼性が高いほど意見変容が起きやすく、信頼性が低いほど意見変容が起きにくいという結果になりますが、時間が経過した後だと、情報源についての記憶が薄れることで、信頼性が低い情報源からのメッセージの「説得性」が増していることがわかります。

つまり、情報を取得してから時間が経過すると情報源の信頼性はあまり問題ではなくなってしまう傾向があるとも言えます。

■スリーパー効果の発生原理・メカニズム

ソース・モニタリングというメカニズムによって発生

スリーパー効果という心理事象は「ソース・モニタリング」というメカニズムによって発生します。

ソース・モニタリングとは、聞いた話や見た景色といった情報のソース(情報源)を判別する機能を指します。

人間は「どこから得た情報なのか」という情報源を気にする傾向があります。

普段から信憑性のない情報源の場合、そこからの情報を鵜呑みにすることはありません。しかし、ある程度の時間が経過すると「どこからの情報だったのかということを忘れ、取得した情報は記憶している」という状態になります。そのため、インパクトのある内容ほど記憶に残りやすくなります。

一方、普段から信憑性のある情報源の場合、「信頼できる情報」であるがゆえ、時間経過とともにどこからの情報だったかを忘れ、信頼している情報だけが記憶されて、「本当に信頼できる情報なのか?」という疑心が生まれ、内容に対する信頼性が低下する傾向があるとされています。

つまり、普段から信憑性のない情報源の場合、ある程度の時間が経過すると「ソース・モニタリング」が機能しにくくなり、『スリーパー効果』の影響が大きくなるということです。

また、一般的には情報は時間とともに説得力が減退しますが、『スリーパー効果』が発生すると、情報の説得力が時間の経過とともに強まる傾向があります。

◆発生する条件

発生する3つの条件

スリーパー効果が発生する条件は、以下の項目が挙げられています。

・情報そのものに説得力がある。
・情報に触れた後、時間が経過している。
・「情報→情報源」の順で提示される。

■スリーパー効果の発生例

日常的に接触するメディアや映画コンテンツ、選挙活動でも

◆雑誌などのメディア

①雑誌などのメディア

実証実験の雑誌を含めたメディアからの情報取得は、スリーパー効果が発生しやすくなります。

掲載された記事などを読んだタイミングでは、情報源である「メディア」に対する信頼感をベースに情報の真偽を判断するのが一般的ですが、時間が経過することで情報元のメディアに関する記憶が薄れることで、「どのメディアに掲載されていた情報か」どうかは重視されなくなります。

◆プロパガンダ映画

②プロパガンダ映画

政治的な主張を宣伝する「プロパガンダ映画」。

戦争中や政治的な軋轢が生じている場合、敵国への憎悪を駆り立てるような映画を用いて、国民を扇動し敵視意識を高める目的で作られます。

スリーパー効果を提唱したカール・ホブランド氏は、第二次世界大戦中のプロパガンダ映画の扇動効果を調査し心理事象を提唱するきっかけになったとされています。

◆選挙活動

③選挙活動

選挙の時期になると、選挙カーで大音量で候補者の名前やキャッチコピーを連呼する、スピーカーで自身のPRをする街頭演説が活発になります。

あんなに大音量でうるさく「自分」という情報を発信しているのを聞くと、わずらわしさを感じることもあるのではないでしょうか。

ですが、あの行為も『スリーパー効果』の活用例であり、一定の効果が見込まれるアクションです。

選挙カーや街頭演説で自身の紹介や信念を聴いただけでは、正直なところよくわかりませんし、逆にうるささによって不信感を抱くことも。
ですが、スリーパー効果によって、時間が経過した投票時には不信感を忘れ、候補者の名前やキャッチフレーズだけが記憶に残るようになります。

有権者の中には、候補者が多い場合「名前を聞いたことがある」だけで投票する人も少なくありません。
結果、選挙カーや街頭演説によってスリーパー効果を発揮させ、自身への投票を促すきっかけにできるというわけです。

アメリカでの候補者同士の舌戦でも

また、アメリカでは日本よりも候補者同士の舌戦が繰り広げられます。

時に、自身の対立候補に個人的で攻撃的な発言を向けることがありますが、このパフォーマンスは支持者でなければ見聞きすると不快に思ったり、指摘している発言内容に信頼をおけないと判断することもあります。

ですが、スリーパー効果によって、発信するパフォーマンス(情報)が記憶に残るようになり、信憑性を得て、得票に大きな影響を与えるというケースもあるようです。

■ビジネスシーンでの活用例

スリーパー効果は、「情報」の信頼性を高められることから、うまく活用すれば良い効果を発揮します。

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