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成功例だけを参考にして見誤ってしまう!?『生存者バイアス』


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失敗したことを見ずに成功した(≒生存した)ことのみを基準に判断してしまい、不完全で歪んだ結果を導き出してしまう『生存者バイアス』。具体例や発生することによる影響・リスク、回避する方法などについて解説しています。

■『生存者バイアス』とは?

認知バイアスの1つとして知られる生存者バイアス(生存バイアス)

『生存者バイアス(Survivorship bias)』とは、失敗したことを見ずに成功した(≒生存した)ことのみを基準に判断してしまい、不完全で歪んだ結果を導き出してしまう、認識や思考の偏りのことです。

「生き残った」、つまり「選択」という関門を突破したデータだけに焦点を当てて、「生き残れなかった」「選択されなかった」データを無視した時に発生するエラーが由来となっています。

認知バイアスの一種であり、ビジネスシーンでもよく見られる現象として知られ、『生存バイアス』とも呼ばれています。

つまり、成果や成功を遂げた人物や企業、物事だけに注目し、失敗した結果を考慮せずに誤った判断や結論を導き出してしまう心理事象と言えます。

■生存者バイアスの具体例

8つの発生例

◆本当に補強すべき戦闘用飛行機の箇所とは?

帰還した機体を分析対象にすべき?

有名な例として、第二次世界大戦中の戦闘用飛行機の分析が挙げられます。

第二次世界大戦中、アメリカのコロンビア大学の統計学者アブラハム・ウォルド 氏とその研究者チームは、敵機に撃ち落とされないように飛行機の装甲を補強する任務に就いていました。

その任務を達成するために、軍部からの指示を受け、帰還した飛行機の損傷個所を分析し、そのデータから機体の補強箇所を提案することがミッションでした。

このミッションを進める中で、最も損傷を受けた箇所を補強することが合理的なように思えますが、ウォルド 氏は撃墜されて帰還できなかった飛行機を無視して、無事に帰還した飛行機の損傷部位だけを考慮しただけでは『生存者バイアス』に陥ってしまうことに気づきました。

そこでウォルド 氏とその研究者チームはアプローチを変え、帰還した飛行機の損傷が激しい部位はむしろ、その箇所に被弾しても帰還ができたのに対して、急所とも言える部位を損傷した飛行機は撃墜されたと気づきました。

※統計データではなく想像によってイメージされた画像です。

ウォルド 氏は『生存者バイアス』を考慮し、データで過小評価されていた「モーターとコックピット周辺」を補強することを軍部に提案しました。

これらの急所に被弾した飛行機は撃ち落されて帰還できなかったため、その機体の損傷個所のデータは含まれていませんでした。

その結果、『生存者バイアス』を考慮した上で本当に必要な箇所を補強することができました。

このことから、帰還できなかった(失敗した)機体の損傷箇所を見ることなく、帰還した(成功した)機体の損傷箇所の装甲を補強することは、補強が本当に必要な箇所ではなかったという『生存者バイアス』を未然に回避した例と言えます。

◆高所から落下した猫ほど生存率が高い?

猫が2階以上の高層階から突然飛び降りてしまうフライングキャットシンドローム

ほかに有名な例としては、猫高所落下症候群の研究が挙げられます。

猫が2階以上の高層階から突然飛び降りてしまう猫高所落下症候群(フライングキャットシンドローム)。

高層マンションから転落してしまった猫115匹を対象に調査した結果、9階以上から落ちた猫の死亡率が5%だったのに対し、それより低層から落ちた猫の死亡率は10%でした。

この結果を受け、当初専門家は「猫は高層階から落下するほど生存率が上がる」と考えていました。高い階層から落ちた方が滞空時間が長いため、着地姿勢をとることができることを根拠として挙げていました。

ですが、ここでも『生存者バイアス』が働いています。

注意しなければいけない点として「落下して死んでしまった猫は病院に運ばれない」ということです。

生存を諦めて病院に連れて行かないケースが

高層から落下してしまうと、生存を諦めてしまい病院に連れていかないという飼い主が一定数いると考えられます。

一方、低層階から落下した場合、重症であっても猫が助かることに希望を持ち、病院に連れて行く飼い主は多いはずです。

高層階から落ちた場合、木がクッションになって衝撃が和らいだなど、奇跡的に軽傷で済んだケースのみ、病院に連れて行くことになります。

つまり、落下してしまった際の生存率は、高層階から落ちた方が本来低くなりますが、病院に連れて行く猫に対する生存率は「高層階から落ちた猫の方が高くなっていた」ことから、結果的に高層階から落下した猫の生存率が高く見えるようになったということです。

この例のように、「結果だけ」を見て過去の原因を予測しようとすると『生存者バイアス』に陥ってしまい、物事を正しく捉えることができなくなってしまいます。

◆新型コロナウイルスワクチンを接種すると死亡率が上がる?

コロナ禍で発生した反ワク論者

さらに、新型コロナウイルス感染といったパンデミックにおいても『生存者バイアス』が発生するケースの一つと言えます。

例えば、「新型コロナウイルス(COVID-19)のワクチンを接種するのは危険。マスクも不要。殺人兵器だ」陰謀論者のごとく主張する著名人がいるとします。

そして、その著名人や同じ「反ワク」を主張する仲間も実際に体調を崩さずに健康そうだとします。

新型コロナウイルスのワクチン接種で起こった陰謀論

すると、この著名人の主張に説得力を感じやすくなり、「ワクチンもマスクも害悪だ」と考える人々が増えるのは、コロナ禍での論争を実際に見てきた我々にとって納得できると思います。

このようなワクチンやマスクを否定する人々は、ワクチンを接種せずに感染して重症化した人や死亡したケースを『生存者バイアス』によって無視している可能性があります。

そもそもワクチン接種した人としない人の死亡率を比較することは、新型コロナウイルスのようなパンデミック事象の場合、取得できるデータが不完全であり信頼性に乏しいことから、正確に評価することは困難と言えます。

◆合格した先輩を真似れば結果は出る?

目にした合格者だけを参考にする?

身近な例として、受験時の「合格者の声」も『生存者バイアス』に陥りやすいケースとして挙げられます。

自身や家族が難関校・難関大学を受験する際、合格した先輩の受験時に取り組んだ体験記が目に留まります。

「いろいろな参考書ではなく、この参考書だけを何度も解いて受験に臨みました」というようなものです。

あくまで1つの成功体験として捉えることが必要

こういったものを目にすると「合格した先輩という成功者の経験を真似ることが、受験合格の正攻法だ」と思い、その参考書だけを解こうとしてしまいがちです。

ですが、これはあくまで「1つの成功体験」であり、これだけを過信してしまうと合格から遠のいてしまうリスクがあります。

◆大学を中退した人には成功する起業家が多い?

有名企業の創業者には大学中退者が多い?

大学を中退した人には、著名な起業家がいます。

世界的に有名な、マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツ 氏やアップルの創業者であるスティーブ・ジョブズ 氏、メタ・プラットフォームズ(旧:フェイズブック)の創業者であるマーク・ザッカーバーグ 氏が例として挙げられます。

大学を中退して企業=成功とはならない

ですが、「これら著名な起業家のように成功するためには、大学を中退しても支障はない」という考えは『生存者バイアス』に陥っていると言えます。

大学を中退し成功した有名な起業家の裏には、失敗に終わった人々が少なからずいるはずだからです。

◆「成功企業の事例」を取り入れればビジネスは成功する?

成功企業の事例を自社にも採用する場合・・・

この『生存者バイアス』は、もちろんビジネスシーンでも起こります。

ビジネス書やWebサイトで公開された成功企業の事例に着目して、自社ビジネスに取り入れるケースがあります。

「タイミング」に考慮することが必要

ですがビジネスは「タイミング」を考慮することが必要です。

当時、成功企業が実施したビジネスが、現在の市場(マーケット)に合致しないケースも往々にしてあります。

成功した企業のビジネスを真似るのは必ずしも悪いことではありませんが、あくまで「一握りの成功事例」と認識した上で、建設的な批判的視点(『クリティカル・シンキング』)を持って自社のビジネスに合致するのか、タイミングなどを踏まえて考えることが必要になります。

◆本当にこのサービスの「顧客満足度」は高い?

一見すると顧客の満足度が高いサービスも・・・

仮に自社で導入しようとしている会員制ビジネスの顧客満足度が90%のサービスがあったとします。

しかし、そのデータには「サービスに満足せず脱会した人数・企業数」は含まれていません。

「脱会した(≒失敗した)数」が含まれていないことを考慮せずに、提示されたデータに信憑性を感じているとしたら、『生存者バイアス』に陥っている可能性があります。

もし、不都合なデータを意図的に見ないようにしているのであれば『確証バイアス』が働いているとも考えられます。

◆テンプレを引き継げば同様の成果が出る?

マーケティングの場合、特定のタスクだけで成果は出にくいので・・・

『生存者バイアス』は、社内の業務でも起こります。

例えば、以前所属していたマーケターが担当していた『リードナーチャリング』で、特定の配信メールテンプレートを使って受注率をアップさせていたとします。

ですが、「特定の配信メールテンプレートを使っていた」という1つの事実だけに注目するのは危険です。

「使っていた配信メールテンプレート」以外も成果要因と考える必要が

実際には配信するタイミングであったり、配信対象ごとにコンテンツを工夫していたりと、テンプレ以外にも多くの成功要因があった可能性があります。

この「特定の配信メールテンプレートを使っていた」ことが「受注率をアップさせた唯一の要因」と判断してしまい、一部分だけを踏襲するだけでは思うような成果を出せません。


この続きでは、『生存者バイアス』が発生することによる5つのリスク、
回避する方法
などについて解説しています。

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BtoBマーケターより。

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