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社長も、新卒も、同じ存在

在宅ワークをしていると、Nue inc創業の頃を思い出す。
1人で孤独に黙々と自宅で働いていた。膝の上には猫。メールも制作進行もお金の計算も、現場施工も、聞いたことのない税金も全部自分1人でやってきた。なんだか遠い昔のようだけどたった2年前のこと。

世の中が大変なことになってる反面、自宅での時間は静かに流れていく。
行政書類の発行が必要で家を出たが、街に人はおらず、年内で閉店を決めた三月書房にフラッと入る。いつもの店長。黙々と本を読んでいる。いい意味で偏った愛ある選書。こういう街の書店はなくなってしまうのは正直寂しい。しかし、自分がいきている間にけじめをつけるっという店主の判断もかっこいいものがある。

何十年とそこで本を売り続けてきたのだろう。
何歳もあのレジで読んだんだろうな。あの店長の頭の中にはいろんな知識が詰まっているのだろう。昔の事務所が近く、ちょくちょく物色しにいっていた。誰かの本棚を覗くような時間が僕には最高の時間でした。

僕の会社は生まれて数年の小さい企業。
三月書房は何十年と営業していきた小さな本屋。
何冊も良い本に巡り合ってしまって両手いっぱいの本を抱えて、このお店のような存在でありたいなと思いながら家路を辿った。

6月末が期末につき、来期の計画を立てるために数字を見直している。
なんと1年目のスコアと比較すると3年目の今年は2倍近い成長を遂げていた。変化といえば社員が3人増えたことだ。仲間が増えて孤独が消えて、できることが広がった。責任は増えたけど、可能性もぐんと増えた。

不思議なもので人が増えるとチームの動き方が定着し、経営視点の大切さを痛感することになる。売上が上がれば儲かったか?と言われる実はそうじゃなかったりすることもわかってきた。幸福度の計測に近いかもしれない。程よく稼いで平和に暮らす塩梅というものに最近は気づけるようになってきた。

自分自身にもいろいろな岐路があり、ウンウン悩んで判断したこともこの半年で何度もあった。その度に成長している実感がある。これ次のステージに上がるタイミングなんだなとぼうっと歩きながら考えたりしていた。一箇所に止まることもなく、今までは時代なのか何かに流れてここまでやってきた感覚だった。

ただ最近は自分の足で歩いている感触の方が強い。なんというか地面を感じれているのだ。この感じ、何かに似てるなと考えていたが思い出した。新卒じゃなくなったタイミングの気持ちと一緒だって。

ちょうどうちの新卒が入社して1年。あっという間。
俺にもそんな時があったなーと思い返すと、なんとなく自分で立ち上がり選び努力することができ始めた時期だったように思う。何ができて、何ができないかを痛烈に感じていた時期でもあった。それのおじさん版が今俺にも起きているのだ。

見なければいけない方向や、負うべき責任の種類が違うだけで、
社長も新卒も同じだ。同じ存在なのだと思う。だから、これからも新人に負けないよう汗水垂らして僕も走り続ける。達観なんてしてる余裕ない。15年も前の自分と今の自分が同じだなんて、世界はとてもシンプルにできているのだな。昔の自分にケツ蹴られないようイカしたおじさんを目指すわ。

いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。