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わたしの帰る場所

そのお店のドアをはじめて開けたのは3年前、まだすこし肌寒い3月の初旬だった。
足を踏み入れた理由はものすごく単純で、「近所に行きつけのお店がほしかったから」。

家から近くて雰囲気のよさそうな、ひとりでも入りやすそうなバーを食べログで探した。
この町に引っ越してきて、まだ4日目だった。
はじめてのお店に入るのはいつだって緊張する。
月曜日の早い時間ならお客さんも少なくてアウェイになりにくいだろうと踏んで、仕事帰りに意を決して飛び込んだ。

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一瞬で通り過ぎていく景色、記憶の断片、ふっと浮かんでは消えていく感情。夢のような日々は、シャンパンの泡のように儚く。お酒を一杯注文するよう…

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