【英語】per se
今日ご紹介するのは、フォーマルな議論の場などで時々使われるフレーズ、"per se"。
あれ、何だか英語っぽくないな、と思ったあなた。ご明察! 実は、ラテン語由来のフレーズなのだ。
発音は、わかりやすくカタカナで書いてみると、「パー・セイ」と読む。アクセントは「セ」の位置だ。
このフレーズは、ビジネス英会話の文脈で時々出てくるのだが、理解するのが大変難しかった。ニュアンスを理解するために、いろいろな辞書やネット記事にいろいろ当たってみた。
その結果、以下のオンライン英英辞書「Oxford Learners Dictionaries」の解説が、私にとってはしっくりきた。
これによると、"per se" は、"by itself"(「それ自体」)という意味で、何かについて、他の事柄とは切り離して、それそのもの自身について言及する場合に使うというのだ。
まずは、”per se" の意味は、「それ自体」、言い換えると、"by itself" と同義だと覚えておくと分かりやすい。
私の感覚をざっくりとまとめると、この "per se" というフレーズは、何かについて、関連するものと明確に区別して「それ自体」「それだけ」「それそのもの」についてを論じる時に使う。ひとつのものや事柄の、本質的な側面だけにフォーカスする場面である。
ビジネス上の会話では、否定形で、「それ自体は〜ではない」という形で用いられることが多いと感じる。そして、その直後に、本当に重要なことや問題は別のことである、という文がくることが多い。
少々ややこしい説明になってしまったが、以下の例文を見ていただくと、イメージがつかみやすいだろう。
いずれも、否定形で用いられている。「それ自体・・・ではない」と言った直後に、より本質的でありより重要なことを述べている。ビジネス会話で使われるのは、ほぼ、このパターンではないかと思う。
このように、 何かを強調したい重要なポイントで良く使われるので、このニュアンスは是非押さえておきたい。
ちなみに、Web検索中に、"illegal per se" というフレーズがヒットした。これは、法律の世界で使われているフレーズのようだ。
皆さんご存知のとおり、"illegal" というのは「違法な」という意味の形容詞だ。これと、"per se" を”組み合わせて、"illegal per se" というフレーズになると、「何かをすると、それだけで即、違法になる」という意味になる。
つまり、どういう事情があろうとも、形式的に、一発でアウトになる、というニュアンスのようだ。
最後に、このフレーズは、慣れないうちは、あまり自ら進んで使わなくても良いと思う。ニュアンスも発音も上級編で、日本人にとってはなかなか使いづらいのではなかろうか。ちょっと気取って使ってみても、ニュアンスや発音を間違ってしまうと、恥をかくかもしれない。そういうときは、よりシンプルな、"by itself" を使うことをオススメしたい。
ご参考になれば幸いです!
上記の例文で使用した、"face to face" というフレーズについての記事もどうぞ。
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