【英語】"I insist." "If you insist."
今日は、動詞"insist" を用いた、会話で使われる2つのフレーズ "I insist." と "If you insist." についてご紹介してみよう。
おそらく、"insist" という動詞は、受験英語でも出てくるので、ご存知の方も多いはずだ。例によって、「英辞郎」の解説を見てみよう。
このように、"insist" という動詞には、(反対されたとしても)それに負けずに強く主張する、断言するとか、要求する、という意味がある。
このように、この "insist" という動詞には、とても好戦的な語感がある。しかし、今日ご紹介したいのは、日常の英会話で、この動詞を、相手を配慮して、とても優しい思いやりを示すために使っているフレーズだ。
どういうことか、ピンときた方は、英語を使って親しい人と会話する機会の多い(多かった)方だろう。では、"I insist." "If you insist." の2つのフレーズにつき、順に見ていこう。
"I insist."
まずは、"I insist."から見てみよう。2つの単語から成る、短いフレーズだ。
文字どおり訳すと、「私は要求する。」という意味になる。これのどこが優しいのか?
実はこれは、会話において、相手に何かをしてあげようとするときに、相手に、それを申し訳ないと思わせたり、恐縮させたりすることがないように配慮したいときに使える表現だ。意味としては、「これは、私がしたいからするだけであって、あなたが気を遣う必要はないのだ」というニュアンスだ。
これを和訳するのは難しいが、強いて訳すと、「是非ともそうさせてください」「私がどうしてもそうしたいのです」などが近いだろうか。
例えば、相手にご馳走してあげるときなどがその典型例だ。
"If you insist."
次に、"If you insist." を見てみよう。直訳すると、「あなたが要求するならば」。
このフレーズは、"I insist" とは逆で、相手が自分に何かをしてくれようとしているときに、それを受け入れつつも、相手に対し、自分が恐縮しているというニュアンスを示すのに便利なフレーズだ。
"If you insist, I will accept it." (もしあなたが強く要求されるなら、私はそれを受け入れる)という文を考えると分かりやすい。この文の後半部分の、"I will accept"(「私はそれを受け入れる」) の部分が省略されていると考えるとよい。
つまり、「本当は、あなたにそこまでしてもらうのは申し訳ないのだけれども、あなたが強く要求されるのなら、それをお受けする」、という意味だ。この、恐縮しているというニュアンスを、"If you insist." という、3つの単語で、スマートに示すことができるのだ。
和訳は、「どうしてもとおっしゃるなら」「そこまでおっしゃるなら」などとするのが一番ピンとくる。
先ほどご紹介した、ランチをご馳走するというシーンの会話でも使える。
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誰でも、友人や同僚と親しくなると、ご馳走したり、ご馳走されたり、何かの便宜をはかってあげたり、便宜を受けたりすることも増えるだろう。
そういうときに、相手に気を使わせないように、”I insist” を使い、好意に対する恐れ多いという気持ちを示すために、"If you insist." を使う。コミュニケーションを円滑にするために大変便利なので、是非使ってみていただきたい。
ところで、こういう、「是非、こうさせてください」「そこまでおっしゃるなら・・・」というのは、日本人同士の、日本語での会話でも頻繁にあるやり取りだ。こうした相手への配慮は、万国共通なのかもしれない。
ご参考になれば幸いです!
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