見出し画像

【英語】accordingly

先週、"in due course"という、「適切な時期に…する」という英語フレーズをご紹介した。

今日は、それと似たニュアンスを持ち、ビジネス上、とても使い勝手のよい副詞、"accordingly"の使い方をご紹介しよう。

まずは、この単語についての、オンライン辞書「英辞郎」の解説を見てみよう。

accordingly

1.〔状況に応じて〕適切に[な方法で]
・He can sense changes in the market, and react accordingly. : 彼は、市場の変化を察知して、状況に応じて対処できます。
2. それに応じて[基づいて]
・He broke the rules, so we will punish him accordingly. : 彼は規則を破ったので、私たちはそれ相応に彼を罰するつもりだ。
3. それで、その結果、結果的に◆【用法】主に文頭に置かれ、文修飾的に用いられる。
・It started raining hard; accordingly, the game was canceled. : 雨が強く降り始めたので、その試合は中止になった。

今日紹介したいのは、ビジネスでよく使用する上記1. の用法だ。先週の、"in due course"と同じように、動詞の後に用いる。

先週の"in due course"は、「適切な時期に」という意味だったが、こちらの用法の"accordingly"は、「適切な方法や、やり方で」という意味だ。ポイントは、どちらの用法も、ひとつひとつの詳細な内容までは敢えて言わ(れ)なくても、適切に行動する(できる)というニュアンスを示すという点で共通している。

この"accordingly"の用法を使う場面は、既に、やるべき物事の詳細について事前に合意がある場合や、手がかりとなる資料などがある場合、あるいは、相手と信頼関係があり、お互いやるべき物事やプロセスについて、ある程度の共通の認識や理解がある場合などが多いと感じる。

まずは、相手に対し、「物事を適切に処理しておいてほしい」と指示したり、依頼したりする場合の例。

Please read the instructions and act accordingly.
(指示書を読んで、しかるべく行動してください。)

これは、「相手に何かを頼むが、ひとつひとつの細かいやり方は、相手に任せる」という意思表示でもある。たとえば、上司として、部下に物事を依頼する場面では、「よしなに取り計らっておいてね」と、まるっと何かを頼むことができて、便利な表現である。良くいえば、権限を移譲する(empower / delegate)ということだ。悪く言えば「丸投げ」とも言えるが…。

逆に、部下として、上司からこう言われた場合は、「物事を適切に処理せよ、具体的なやり方は、任せるので自分で考えてね」と言われていると認識しよう。そして、何をどうすれば適切に処理することになるのかを、十分に考えよう。また、上司の指示が不明確であって何をしていいか分からない場合は、自分が腹落ちする程度まで、質問をして、内容をしっかり確認するほうがよい。

続いて、相手に対し、こちらから「適切に物事を処理する」つもりであることを伝える場合の例。

Fully understood.  I will handle this matter accordingly.
(よく分かりました。この案件を適切に処理しておきます。)

これは、「細かい説明は省くけれども、私がしっかりやっておくので大丈夫ですよ、ご心配なく」というニュアンスを醸し出すメッセージである。上司の立場で、部下からこう言われると、とても安心できる。また、部下の立場で、これを使うと便利なのは、細かい説明をするのは面倒だから詳細は省きたいが、とにかく上司を安心させて、上司との会話をさっさと終わらせたいときだ。ただ、こう言うからには、きちんと適切に物事を処理する責任を負うので、きちんと結果を出さねばならない。

また、これらの例文のような用法で"accordingly"が使われる場面では、以前ご紹介した別の英語フレーズ、"keep + (人) + informed / posted / updated"(「物事の進捗を適宜報告する」)という表現と、とても相性が良い。

上記の"accordingly"と、こちらの"keep +(人)+ informed / posted / updated"を組み合わせて使うと、「適切に物事を処理しつつ、適宜、進捗を報告する」という意味になり、ビジネス上、とてもこなれた表現になるし、相手との信頼関係構築にも役立つだろう。

I understood the project overview.  I will act accordingly and keep you updated.
(プロジェクトの概要を理解しました。しかるべく行動して、適宜進捗をご報告します。)

なお、今回ご紹介した用法のほか、上記「英辞郎」の3.の用法で、"accordingly"を使うことも、時々ある。

その場合は、今まで述べた1.の用法と異なり、文の冒頭に用いる。その直前の内容を受けて、「その結果、したがって、だから」という意味になる。”Therefore” とか"Hence"などと同じようなニュアンスで、順接の接続詞的に使える。あわせて覚えておいて損はない。

ご参考になれば幸いです!

私の英語系の記事へは、以下のリンク集からどうぞ。

Kindleで出版中の私の電子書籍2冊(国際会議の英語と採用面接の英語についてのノウハウ本)も、よろしければ是非ご覧になってください。Kindle Unlimited対象です。

サポートをいただきましたら、他のnoterさんへのサポートの原資にしたいと思います。