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【英語】"Do you trust me?"

私がまだ社会人になる前に観た、大好きな2つの映画で使われた、"Do you trust me?"というフレーズ。

いずれも、映画の肝ともいえる大切なシーンで、ヒーローからヒロインに言われたキメ台詞。キュンとする素敵なフレーズで、まだ若くてウブだった私のハートをわしづかみにした。ふたつとも有名な映画なので、ご存じの方も多いと思う。

アラジン(1992)

有名なディズニーのアニメ映画。このキメ台詞が2回出てくる。ひとつめは、アラジンが、お忍びで街に出たジャスミンに、追手から逃れるため、一緒に塔から飛び降りようと誘うとき。ふたつめは、王子の姿に扮したアラジンが、ジャスミン姫の部屋のテラスで、彼女を魔法の絨毯に誘うとき。いずれも、アラジンがジャスミンに手を差し伸べて、ジャスミンが、その手を取る。

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Aladdin: "Do you trust me?"
Jasmine: "Yes."

そして、後者のシーンでは、その直後に、ふたりが魔法の絨毯で夜の街の空を飛び、有名な"A whole new world"という、デュエット曲が流れる。この映画で一番ロマンチックなシーンだ。

タイタニック(1997)

ジャック(レオナルド・ディカプリオ)が、目をつぶった状態のローズ(ケイト・ウィンスレット)をタイタニック号のデッキの先端に連れて行き、後ろから彼女の腰を支えて、手を大きく横に広げ、下の写真のキメのポーズをさせるとき。彼女が目を開けるまえに、次のような会話があった。

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Jack: "Do you trust me?"
Rose: "I trust you."

この後、ローズが目を開けて、"I’m flying, Jack!"(「私、飛んでるわ!」)という、有名な台詞が続く。

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さて、これらの”Do you trust me?"というフレーズだが、アニメのアラジンでは「僕を信じろ」と訳されていた。タイタニックでは、確か、「僕を信じる?」と訳されていたと思う。

このように、"Trust"は、よく「信じる」と訳されるが、「信じる」というと、似た意味の別の英単語として"Believe"がある。「英辞郎」などで有名な英語教育大手のアルク社のコラムでは、以下のコラムで、TrustとBelieveの違いを解説している。

このコラムに明確にまとめられているとおり、これらの違いは、

Trust: 相手自身(人格自体)を信頼する
Believe: 人が言う言葉、内容を信じる

ということだ。

ところで、ビジネスの現場では、会社で、社員間の"Trust"(信頼関係)が大切だ、ということを、よく言う。私が勤めたことがある複数の企業で、全く同じことを言っていた。

でも、社員間で、"Do you trust me?"とか、"Trust me."などというフレーズは、あまり多くは使わないと思う。同僚間でこのような言い方をすると、まるで、お互いがお互いを信頼していないかのような印象を与えてしまうと思う。

ただ、私は、会社でも、"Trust me."というフレーズを、たまに使ってきた。

たとえば、会議などで、自分の意見や主張を言ったものの、ロジックやエビデンスが少し弱くて、上司や同僚にあまり納得してもらえないとき。それでも、自分としては、自分の意見や主張にとても自信があるので、「是非、信頼して、私の言う通りに任せてほしい」というニュアンスを出したいとき。

こういう状況で、最後の手段として、相手の目をストレートに見据えて、ひとこと、"Trust me."と言ってみるのだ。

映画のワンシーンの、キメ台詞のように。アカデミー賞級の女優ばりに、少々オーバーに演技するくらいの気持ちでよい。十分なタメを取って。

そうすると、相手も、完全に納得していないとしても、「サザヱがそこまで言うなら、言うとおりにしてみようか」という気になるのか、意外にあっさりと主張が通ったりする。

"Trust me."は、けっこう重い言葉だと思う。「私という人間を信用してください」と、いわば、自分の信用を賭けた発言だからだ。この点、"Believe me."よりも、"Trust me."のほうが、相手に訴えかける力も強いと感じる。

その分、こう言ってしまった後、自分の想定したような結果にならなかったときには、それこそ"Trust"(信頼)を失ってしまい、相手との関係を悪化させかねない。だから、あまり軽々しく使うのではなく、あくまで、ごく限られた場面で、「最後の切り札」的に使うようにするのがよいと思う。また、会ったばかりの人とか、まだ信頼関係が十分築けていない相手に対しても、軽々しく使わないほうが無難だろう。

逆に、同僚や部下などに対して、「あなたを信頼している」「あなたには安心して任せられる」と言うメッセージを伝えたいときには、"I trust you."と言ってあげるとよい。言われた方は、信頼されていると感じて嬉しくなり、仕事を一生懸命頑張ってくれると思う。

人心掌握術に長けた外国人上司は、こういうフレーズを使うのが本当に上手なのだ。私も、何度、こう言われて有頂天になって、仕事をついつい頑張ってしまったことか…。

私の主観に基づく、少々感覚的な話になってしまいましたが、ご参考になれば幸いです。

ご紹介した2つの映画はこちら(↓)。いずれも、とてもおススメです。"Do you trust me?"のフレーズを探してみてください!

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