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【英語】vis-à-vis

今日ご紹介するのは、少しフォーマルな場での英語で使われるフレーズ、"vis-à-vis"

発音は、あえてカタカナで表記すると、「ヴィ・ザ・ヴィ」となり、アクセントは、2番目の「ヴィ」に置く。

このフレーズをご覧になったことのない方は、英語っぽくないなあと思われるかもしれない。ご明察。その通りだ。これは、フランス語のフレーズなのだ。

この"vis-à-vis"を直訳すると、英語は、"face to face"、日本語では「対面で」という意味になる。

そして、この"vis-à-vis" がビジネス英語で用いられるのは、「~に関して」「~と比較して」という前置詞としてだ。今日はその用法をご紹介したい。

この点、英英辞書である「Oxford Learners’ Dictionaries」のサイトで検索した結果が、分かりやすかった。

vis-à-vis
preposition /ˌviːz ɑː ˈviː/ /ˌviːz ɑː ˈviː/(from French)
1. ​in relation to
​2. in comparison with

https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/english/vis-a-visより。用例は省略。

これらを日本語に訳してみよう。

ひとつめは、"in relation to"「~に対して」とか、「~に関して」という意味での使い方。他の辞書では、"with regard to” と同じ意味でも使われる、という説明もあった。

以下、例文を見てみよう。

I’ve read the report of Japan's foreign policy vis-à-vis the United States.
(日本の米国に対する外交政策についてのレポートを読んだ。)

We need to obtain an approval from the Board vis-à-vis these agreements by EOB Friday.
(金曜日の終業時までにこれらの合意について取締役会の承認を取得しなければならない。)

これに対して、ふたつめは、​"in comparison with"「~と比較して」という意味での使い方。比較対象を"vis-à-vis" の直後に持ってくる用法。

以下、用例を見てみよう。

Our competitive position is still stronger vis-à-vis foreign companies.
(私たちの競争力は、外国企業と比較して依然として強い。)

I think I am substantially underpaid vis-à-vis employees of our competitors.
(私は競合他社の従業員と比べてかなり給与が低いと思う。)

ビジネスでは、上記の用法の両方を聞いたことがあるが、どちらかというと、後者の比較の用法で用いられる場合が多いという印象だ。

この "vis-à-vis" については、少しフォーマルな議論や書面で出てくるほかは、英語ネイティブの方が、少し気取った感じでお話しされるときに出てくるくらいだ。カジュアルな日常会話で使われることは稀だ。

私の個人的な意見だが、英語ネイティブではない日本人は、このような難しめの用語はあえて使わないほうが良いと思う。それぞれ、"in relation to" や "with regard to" あるいは、"in comparison with" という、もっと簡単で、オーソドックスなフレーズを使えば十分意図が伝わるからだ。格好つけて "vis-à-vis" を使って、もし使い方やTPOやニュアンスを間違ったりすると、ちょっと恥ずかしいと思う。

ご参考になれば幸いです!

私の英語系の記事へは、以下のリンク集からどうぞ。

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