【英語】garden leave / gardening leave
今日ご紹介するのは、外資系企業において、優秀な人が退職するという場面で時々耳にするフレーズ、"garden leave"(ガーデン・リーブ)。または、"gardening leave"(ガーデニング・リーブ)とも言う。
以下の、オンライン辞書「英辞郎」の解説が、端的で分かりやすい。
皆さんご存知のとおり、"garden"は、「庭」という意味の名詞であり、"gardening"は、「庭いじり」「ガーデニング」という意味の名詞である。そして"leave" は、「離れる」「去る」などの動詞であるが、ここでは、「休暇」という意味の名詞として使われている。
つまり、直訳すると、「ガーデニング(庭いじり)のための休暇」となる。
これは、ビジネスの文脈では、単なるガーデニングの休暇というわけではない。「自社を退職していく社員に対して、競業するビジネスに従事することを遅らせる目的で与える、有給の休暇」という意味なのだ。
これがどういう意味を持つのか。"Garden Leave"というフレーズをググってみたところ、西村あさひ法律事務所という法律事務所のニュースレター(2017年4月号、英語版)がヒットした。この解説が分かりやすいので、引用させていただきたい。
これを訳すと、以下のようになる(サザヱ訳)。
この解説にあるように、会社は、"garden leave" という制度を用いて、退職していく従業員に対して、一定の期間の間、給与を支払い続けることによって、それと引き換えに、会社と競業するビジネスに従事することを禁止することができる、というのだ。
給与をもらいながら、仕事をすることができない手持無沙汰な状態を、「庭いじりしながら休暇を過ごしている状態」に例えたのだろう。
そして、その期間中に、当該従業員がその指示に反して競業するビジネスに従事した場合には、会社は、差止命令や損害賠償などの法的手段に及ぶことができるというのだ。
しかし、この"garden leave"が適用になる従業員は、外資系企業といえども、そう多くはない。給与を支払ってまで、自社と競業するビジネスに従事することを少しでも長く禁止したい人材というのは、通常、極めて優秀な人材に限られる。おそらく、業界内で多くの顧客をつかんでいる営業系の社員や、特殊な能力やノウハウを持っている社員などが対象となるのだろう。
私が勤めてきた複数の外資系企業でも、業界内の人材の引き抜きが常時行われていたが、そのうち、特に優秀な、役員や部門長クラスの人々が、garden leaveをもらった、という話を数件見聞きしたことがあるくらいだ。
私自身は、と言えば・・・。外資系企業からの転職経験者だが、残念ながら、garden leaveをもらったことは、一度もない。"Garden leave"をもらって引き留められるような重要人物になってみたいものだ・・・。
ご参考になれば幸いです!
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