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【英語】devil’s advocate

今日ご紹介するのは、"devil's advocate" というフレーズ。発音は、「デヴィルズ・アドヴォケイト」

英辞郎で検索してみたところ、次の解説がヒットした。

devil's advocate
1. わざと反対する人◆多数意見の正当性を確認するため、または単に議論を引き起こすために、あえて少数意見に賛成を唱える人。
2. 《カトリック》列聖調査審問検事◆列聖(canonization)の候補者に対して、反対意見をのべる役目の人。

このフレーズの成り立ちは、"devil" (悪魔)という単語と、"advocate"(擁護者、代弁者、代理人)の単語の2つを合わせたものだ。つまり、直訳すると「悪魔の代理人」という意味になる。

上記2.の解説にあるように、カトリックでは、"devil's advocate" とは、列聖(注:信者が死後に聖人に加えられること)の候補者に対して、調査や審問を行う際に、あえて反対意見を述べる役目の人のことを指すようだ。

ビジネスで使われるのは、上記1.の解説にあるように、議論の最中に、誰かの主張や論調に対して、それが正しいかどうか検証したり、確認するために、あえて反対の立場からの意見を述べてみる、という場面においてだ。

たとえば、次のような会話で使われる。

I understood your proposal that the company should introduce this new system for this project.  But let me challenge you as devil's advocate.  What if the installation does not work well?  Isn't it safer to keep current manual operation to keep our precious data safe?
(この計画のために会社がこの新しいシステムを導入しなければいけないというご提案は理解しました。しかし、議論のためにあえて反論させてください。もしそのシステムの導入がうまくいかなかったらどうなるのでしょう。私たちの貴重なデータを安全に管理するために、人による運営を継続したほうが安全ではありませんか。)     

この例のように、反対意見を述べる人や、反対の立場からの質問をする人が、その際に、自分が結論に反対かどうかはさておき、あえて議論のために、これから反対意見を述べるよ、と宣言する文脈で使われることがある。

あなたを責めているわけではなく、あなたに悪意があってのことではないよ、という、相手に対する配慮が感じられる瞬間だ。

あなたの意見や主張に対し、誰かから、「"devil's advocate" として言わせてもらうけど…」と言われ、反対の意見や質問を受けた場合には、それが、議論の正しさの検証のための反論や質問であり、その人の反対が必ずしも強固なものではない可能性があると理解しよう。

そして、落ち着いて、その反論や質問に対して答えていこう。

ご参考になれば幸いです!

上の例文で使用した"challenge" の用例については、こちらの記事をどうぞ!

私の英語系の記事へは、以下のリンク集からどうぞ。

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