【英語】CDA / NDA / LOI / MOU
今日ご紹介するビジネス英語は、略語4選。CDA、NDA、LOI、MOU。
読みは、それぞれ順番に、「シー・ディー・エイ」、「エヌ・ディー・エイ」、「エル・オー・アイ」、「エム・オー・ユー」と読む。
これらの略語を見てピンと来た方。おそらく、外資系企業にお勤めの方、海外の会社などとのビジネスに関わっていらっしゃる方、あるいは、弁護士や会計士さんなどの専門家などではないだろうか。
これらは、英文で、誰かと何らかの契約を締結するにあたって、正式な契約に先立って交わす合意書だ。
それぞれの種明かしをすると、以下のとおりだ。
CDA
CDA = "Confidentiality Agreement"(「コンフィデンシアリティ・アグリーメント」) の略で、訳は、「秘密保持契約」。"Confidentiality" は「秘密性」という意味の名詞だ。
NDA
NDA = "Non-Disclosure Agreement" (「ノン・ディスロージャー・アグリーメント」)の略で、こちらも、CDAと同様に「秘密保持契約」のことを指す。"Disclosure" は「開示」という意味の名詞。だから、Non-Disclosureは、「非開示」という意味になる。
LOI
LOI = "Letter of Intent" (「レター・オブ・インテント」)の略で、「意向表明書」「基本合意書」などと訳される。"Intent" というのは、「意図」「意向」という意味だ。
MOU
MOU = "Memorandum of Understanding" (「メモランダム・オブ・アンダースタンディング」)の略で、「基本合意書」「覚書」などと訳されることが多い。"Memorandum" は、「メモ」「覚書」という意味で、"Understanding" は「理解」という意味だ。
解説
まず、CDAとNDAについては、どちらも同じく、秘密保持契約書のことを指す。正式な契約に先立ち、まずは、相手方と契約を締結してよいかどうかを検討し、評価するために、企業秘密を相手方に渡したり、相手方から受領したりする。その際に、企業秘密を第三者に開示しないことや、企業秘密を当該案件の検討や評価以外の目的では使用しないことを約束させるための契約書だ。
これに対して、LOIとMOUは、通常は、相手方と正式な契約を締結したいと思っているが、まだ完全なコミットまではできないときに、お互いに相手と契約を締結する意向があるという意向の表明や、理解の確認をするために締結する合意を示す書類だ。その性質上、何らかの権利や義務が発生する内容は盛り込まれないことが多いが、大筋での合意などを盛り込む場合もある。
また、LOIのほうは、買付証明書のように、一方から他方に向けてのオファーを示す形で使われることもある。この場合は、オファーを出すほうの当事者のみが署名する。これに対して、MOIのほうは、双方合意した内容を記載するものだ。
MOUもLOIも、単なる意向や理解の確認に留まり、拘束力のないものが多いが、そのタイトルにかかわらず、本文の内容によっては、お互いを拘束する内容が盛り込まれていて、何らかの権利や義務の発生が伴うものもある。
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外資系企業に勤めていると、日常会話において、「早くCDAを結んでおいて」とか、「契約まで時間がかかりそうだったら、とりあえずMOUを交わしておいたら?」などと、これらの略語をよく耳にする。
こういう略語が気軽に会話に登場するので、これらの書面は簡単に作れそうだと思われるかもしれない。
確かに、Googleで検索すると、世の中のたくさんのテンプレートや実例がヒットするし、最近ではChat GPTなどの生成AIが書類作成にかなり使えるので、誰でもこの類の書面を作ることができる世の中になっている。
しかし、その内容は専門的で、注意して作成しないと、思わぬリスクを負ってしまうこともある。CDA, NDA, LOI, MOUを作る役割を任された場合は、慣れていない方は、会社の法務部や、弁護士さんなど、専門家に依頼することをお勧めする。
ご参考になれば幸いです!
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