【英語】for the sake of
今日ご紹介するビジネス英語は、"for the sake of…" というフレーズ。読みは「フォー・ザ・セイク・オブ」。日本語に訳すと「~のために(・・・する)」という意味で、目的を表すフレーズだ。
この "for the sake of…" を構成する名詞である "sake" には、「目指すもの」「利益」といった意味がある。そのため、"for the sake of…" は、目的を示す前置詞である "for" を単独で用いる場合と比べて、何らかの目的や利益を達成するために、目的意識を持って行動することを強調するニュアンスがある。
例文を見てみよう。
これらの例文は、とてもポジティブなニュアンスである。しかし、ビジネス上の英会話では、時々、この "for the sake of" というフレーズが、やや、冷ややかなニュアンスで用いられることがある。
例えば、"for the sake of discussion" (直訳は「議論のために」)というフレーズで用いる場合である。以下の例文を見てみよう。
この例文から読み取れるのは、話し手が、取引のメリットを議論すること自体はやぶさかではないが、様々なリスクがあるため、実際に取引に及ぶことは現実的ではないかもしれないと感じていることである。
そういう気持ちが、"for the sake of discussion" というフレーズに込められていて、「検討してもよいけれど、あくまで議論のためのものにすぎないよ」というニュアンスを示し、その場にいる人たちの期待値をコントロールしようとしている。
また、"change for the sake of change" (変更のための変更)などという言い方も、ビジネス英会話では、時々聞く。これには、明らかに否定的なニュアンスが込められている。
この例では、製品のロゴを変更することになったことについて、話し手は、特段の理由や目的はなかったのではないかと推測している。変更すべきという結論が先にありきで、それだけのために特段の意味もなく変更したのではないか、とか、そのために無駄な費用や労力をかけたのではないか、という皮肉や揶揄が込められている。
以上のように、"for the sake of…" という表現は、「何らかの目的や利益のために」という意味であり、そのままの意味で用いられることもある。しかし、時には、「あまり意味のないことのためにわざわざ無駄なことをしている」といった否定的なニュアンスを含むことがあることも、覚えておくと良いと思う。
ご参考になれば幸いです!
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