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【英語】learn a lesson / lessons learned

今日は、私の勤めている外資系企業で多用されているフレーズ、"learn a lesson"  と、"lessons learned" をご紹介しよう。

名詞 "lesson"「レッスン」は、「ピアノのレッスン」などと、カタカナ英語としても定着しているように、「授業、学課、レッスン」というのが基本の意味だ。

これを、"learn"「学ぶ」という動詞と合わせ、"learn a lesson" というフレーズで使うと、「学課を学ぶ」とういのが、直訳になる。

しかし、それが転じて、"learn a lesson"は、「教訓を学ぶ」「戒めを学ぶ」という意味になる、というのが、今日のポイント。

特に、失敗や事故などのネガティブな経験、不幸な事態、残念なことから、次回に向けての改善点を学ぶ、という文脈で使われることが多い。

そして、"lessons learned" とは、そういうネガティブな事態から学んだ教訓、戒め今後に向けての改善点、という意味になる。

それでは、オンライン辞書「英辞郎」で、"lesson" という単語を引いてみよう。

lesson

1. 授業、レッスン◆教えたり学んだりするための連続した時間。
2.〔授業で学ぶ内容の〕学課、課業
3. 授業をすること、教授
4.〔教科書の〕課◆lesson one [two, three, four, five] のように用いる。
5.〔経験から直接学ぶ〕知恵、知識
6.〔見本や他山の石となる〕教訓、戒め
7.〔教え諭すための〕懲らしめ、叱責
8.《キリスト教》〔礼拝などで読まれる聖書の〕朗読
(※他動詞の用法については省略)

上記の解説のうち、5.「経験から学ぶ知恵」、6.「他山の石となる教訓、戒め」、7.「教え諭すための懲らしめ、叱責」などが、このフレーズで言う "lesson" の語感として、しっくりくる。

さらに、「英辞郎」で、"learn a lesson" というフレーズ自体を検索してみると、次のような用例が出てくる。

learn a lesson 教訓を得る[学ぶ]、戒めとする
learn a lesson about ~について思い知る[教訓を得る]
learn a lesson from ~から教訓を得る[学ぶ]
learn a lesson from one's own experience 自分の経験から学ぶ
learn a lesson from past experience 過去の経験から教訓を得る[学ぶ]
learn a lesson from this unfortunate experience 残念[不幸]な経験から教訓を学ぶ
learn a lesson of life 人生の教訓を得る[において大切なことを学ぶ]

教訓を得る、戒めとする、経験から学ぶ、などという意味が並んでいるのがお分かりになるだろう。

次に、"lessons learned" を、同じく「英辞郎」で引いてみた。

lessons learned 得た[学んだ]教訓
lessons learned at ~で学んだ教訓
lessons learned from a project プロジェクトから学んだ教訓
lessons learned over the last __ years この_年で学んだ教訓
apply lessons learned 学んだ教訓を生かす

やはり、"lesson" が、「教訓」という意味で使われている。

これらの表現 "learn a lesson" や "lessons learned" は、ビジネスミーティングで、本当によく使われている。

たとえば、以下のような文脈で使われる。

"It was very unfortunate that the sales result was far less than our estimate.  The lessons learned here is not to underestimate aggressive marketing campaigns of our competitors."

「売上が予測よりも大幅に少なかったことは不幸だった。ここから学んだ教訓は、同業他社の積極的なマーケティングキャンペーンを過小評価してはいけないということだ。」

この例は、同業他社の積極的なマーケティングキャンペーンのインパクトを過小評価したことによる、売上減の原因分析の際の会話だ。

「失敗は…」という表現ではなく、「学んだ教訓は("lessons learned")」と言っているところが、ポジティブに聞こえる。

人間である以上、誰にでも、失敗をすることはある。誰かの失敗を責めることは簡単だが、そこから何も得ることはない。人間関係の悪化など、マイナスの効果しか生まれない。また、失敗を恐れていては何の冒険もできない。失敗の中から、経験や学びが生まれる。

失敗を責めるのではなく、失敗から学び、教訓を得て、次に活かすことこそが重要なのだ。そのような思想やカルチャーが、私の勤めた複数の外資系企業においては感じられた。

そして、”learn a lesson” や、”lessons learned” というポジティブな表現を使って、自分のしてしまった失敗と、そこから得た学びをどんどん仲間に共有する。そうやって、失敗からの学びをお互いにオープンにすることを促し、仲間と一緒に学び、組織を強くする、というカルチャーを醸成しようとしているように感じる。

以前の記事で、外資系企業でよく使う、"development needs" や、"improvement needs" などのフレーズをご紹介した。人事評価などの場面で、相手の「欠点」「弱み」などという言葉を使わず、「改善点」「開発機会」というポジティブな用語を使うということに気づいたことについて書いた。

外資系企業で働いていると、このように、ネガティブなことを、ポジティブな表現で伝えようとする英語表現が多いなと感じる。このマインド自体は、日本語でも、どの言語でも応用可能なので、普段から意識しておきたいと思っている。

ご参考になれば幸いです!

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