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【英語】if ... at all

今日ご紹介するビジネス英語は、"if … at all" というフレーズ。読みは、「イフ … アット オール」。 

このフレーズを直訳すると「もし … ならば」という意味になる。

ここで鋭い読者の方は、疑問に思われるかもしれない。「もし … ならば」という意味を示したいのならば、仮定や条件を表す接続詞の "if" だけで十分なのでは? なぜ if 節に 、わざわざ、"at all" というフレーズを足す必要があるのだろうか、と。

最初にこのフレーズを聞いたときには、私もそのような疑問を持った。そこで、誰かがこの表現を使うたびに、その意味を探ろうとした。

そこで分かったのは、この "if … at all" というフレーズは、ある状況や条件が実現する可能性が低い場合や、何かが実際に起こるかどうかが不確実だというニュアンスを加えたい場合に使われるということだ。

オンライン辞書「英辞郎」で "at all" というフレーズを検索すると、「仮にも」「いやしくも」という意味が記載されている。条件の不確実性を強調する表現であることがわかるだろう。

例文を見てみよう。

"If this system works at all at all, that will be a huge success."
もしこのシステムが機能するならば、大変な成功になるでしょう。)

"If he is interested in this project at all, he should come to the meeting."
もし彼がこのプロジェクトに少しでも関心を持っているならば、彼はミーティングに来るべきです。)

ひとつめの例文の「もしシステムが機能するなら」というくだりからは、「実際には、システムが機能する可能性は高くないだろうけどね・・・」という、話し手の心の声が聞こえる。成功の可能性にあまり期待していないというニュアンスが読み取れる。

また、ふたつめの例文の「彼がプロジェクトに関心をもっているならば」というくだりからは、「おそらく彼は、プロジェクトに関心を持っていないのではないか。だからミーティングに来ないのではないか。」という、話し手の、ミーティングに来ないメンバーに対する不満を示す冷ややかなニュアンスが読み取れる。

なかなか微妙で、分かりにくいニュアンスだ。だから、英語が苦手な日本人が、この "if … at all" というフレーズを、無理して使う必要は全くない。

ただ、誰かが、この "if … at all" というフレーズを使うのを耳にしたときには、少し注意を払ってみると良い。可能性が低いことに対する皮肉やあきらめの気持ちなど、やや冷ややかでネガティブなニュアンスが含まれているかもしれない。こういった微妙なニュアンスを察知することで、社内の人間関係やビジネスの動きなどについて、心の準備ができ、うまく立ち回ることができるかもしれない。

ご参考になれば幸いです!

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