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陰のカリスマ──ミメーシスと橋○さん

YouTuberが親友ですとか言って「誰かよくわからない人」を連れて来ちゃって、内輪ネタが始まって、薄寒いと感じる知性はぼくにもある。
まず、それを断言させてほしい。
この記事は、ジャンルであれば、デレデレ友達紹介である。
しかし、
内輪ネタなんかで終わらないほどパブリックなテーマであるべきだと思っている。
今回話すのはそんな「人かどの人物」の話。
橋○さんについてである。

ぼくが昔勤めてたベンチャー企業には、ふたりの巨大カリスマがいた。

ひとり目は社長だ。これはわかりやすい陽のカリスマだ。

S社長は、カリスマ性の権化のような人だった。
天才的な影響力。
人を寄せ付ける魅力的な人柄。
若干20歳で会社を起こして3年で、売り上げが数億円の勢いのあるベンチャー企業をつくってしまうほどのインパクトだ。
そういうキョーレツなカリスマだ。


パワーみなぎり、潜ってきた修羅場の数が桁違いなのに、

途轍もなくクレバーで、教養を感じさせる知性も持ち合わせた本当にすごい人だった。

この人の組織に入っているという安心感があり、そのメンバーの一員であることへの帰属心さえ生まれた。

まるで、ワンピースのルフィのような人だった。

とにかく、ぼくの人生で出会った人の中で、

何かどでかいことをもう一度するんじゃないかランキング1位である。
だから、ぼくはこの人が好きだった。
ぼくは間違いなく彼のファンだった。

※いつかこの人にも許可をとって、正式にこの人のスゴさを言語化する記事が書きたいと思っている。


もう1人の巨大カリスマは、ぼくの9年来の友人である。
陽のカリスマのすごさと双璧をなす陰のカリスマのすごさもしっかり伝えたい。



ぼくらは、夜な夜な電話をかけて、LINEのトーク履歴に数時間の音声通話の履歴がいくつもある。
もしLINEの音声通話が有料化して、LINE電話に料金が発生したら、きっとベンツが買えてしまうくらいの時間は電話しただろう。

それほど、夜を何度も明かし合った仲だ。
ぼくは、その彼を陰のミメーシスと名付けたい。

ミメーシスには、陽のミメーシスと陰のミメーシスがある。
この例の場合、
社長は陽のミメーシスで、友達は陰のミメーシスだ。

ミメーシスという言葉は、もともとはギリシア語の模倣に由来する。
アリストテレスの「詩学」の中で、作品を模倣することだと表現される。
社会学者の宮台真司は、この言葉をやたらと引用する。
宮台真司は、ミメーシスを「模倣」とは訳さず「感染」と訳す。
感染とは、模倣したくなるような「人かどの人物」になれ、というメッセージを非モテ男性に対してターゲットに送っている。
また、ぼくもこの感染(ミメーシス)を好んで度々借用している。



今回、テーマにしたいのは、

誰もがわかり切ったミメーシスについてではなく、ちょっとわかりづらいけど、実は破壊的なミメーシスを発揮している陰のミメーシスについて考えた考察だ。


この人を仮にHくんとする。
Hくんは、教育力の天才だ。

人の〈欠点〉を分析して見つけ出し、

その〈欠点〉を、その人の理解のサイズに合わせて指摘して、「ひと角の人物」にしてしまう天才だ。

実際に彼に間近で感染していた人は、みんな「人かどの人物」になっている。

これが、本当にすごいのだからしょうがない。

例えば、Aくんは、ぼくが知る限りパッとするインターン生ではなかった。

しかし、そのインターン生のAくんは、Hくんに感染して模倣することで立派な「人かどの人物」になっている。

これが本当に全員だからすごいのだ。

そのベンチャー企業で働いていたインターン生の進路実績をもし公開したら、間違いなく安心感が得られるのだろう。

※なんかめんどくさい情報を公開すると、なんかの法律に引っ掛かったらだるいから公開はしませんが。

彼の近くにいると安心してなんでも話してしまうし、

彼の近くにいるとどんなことも肯定される気持ちになるのだ。

だから彼は、誰とでも上手に関係を築いた。

関係の作り方が天才的である。あらかじめ決まってかのような、正解の距離感を創出していく。

そのため、誰に聞いてもHくんを嫌いという人は1人もいなかった。

※1人もである。

100人程度の規模の小さなベンチャー企業だったが、
組織の誰に聞いても彼を嫌う人なんかいなかった。

そして、彼は次々と会社の中で成果をあげた。

「この人を紹介したのおれなんだぜ」と鼻が高くなり虚しくなったのを覚えている。
※心の底から、98%はおれの友達すげえだろって気持ちだったけど、残り2%くらいは「スゴイ人の友達なんだぜ?」みたいな感じがあって、すごく虚しくなった笑


サラッと確実に組織の中で存在感は増していき、
今では、紹介したぼくがクビになって、
紹介されたHくんが、とてもエライ人になっているという逆転現象すら起こってしまっているのだ。



大学生インターンから、

「Hさんすごいですよね」と噂話があるときは、率先して、ぼくはそのインターン生が知らないHさんの「さらにすごいエピソード」を足すのだ。そして、そのインターン生にさらなるすごさを伝えるのが好きだった。

それは作品のよさを伝えることに似ていたかもしれない。
「鬼滅の刃」のここがさ
King Gnuのここがさ

こういう作品といっしょで、

Hくんのここがすげえんだよな

を話すのが好きだった。そのため、この続きもHくんという作品をどう味わうべきかという指南書が続く。



ちなみに、Hくんのすごいエピソードをまとめようと思う。
人となりをわかってもらった後は、どんなすごさを持っているのか共有したい。

彼は、正直顔がイケメンではない。
しかし、彼の付き合う彼女はいつも美人だ。
※それもすごい
客観的に可愛さの基準をわかってもらいたいのであえてイヤラシイ表現をするが、
モデルとか芸能人の卵とかそういう可愛さだ。
クラスで一番可愛い子とかではなく、学校で一番可愛い女の子だ。

さらに、異常なまでの抽象具体の行き来する速度だ。抽象具体転用の速度が恐ろしく速い。
だから、ノウハウをキャッチしたら、すぐに攻略法を見出す。

結果として彼は、
上場企業を脱サラして、ブログを運営して、若干23歳にしてアフィリエイト収入だけで生活する人生を送っている。

その後、
突然、人材系の会社に契約社員としてキャリアを歩み始める。

※楽天モバイルが4キャリアとして名乗りをあげ始めた時期の話である。

その時代に、
彼は、楽天モバイルの店舗管理という立場を任されて、契約者数を7倍にするという偉業を成し遂げた。
楽天本社はそんな彼に目をつけないわけがない。
結果として、楽天本社から引き抜きの話がかかったほどだと言う。
二子玉川へ出社している時期を知っている。

そして、ぼくが勤めていたベンチャー企業に彼を誘って、
たまたま楽天と折り合いがつかなかったタイミングと重なり、
最初は業務委託として迎え入れられた。

そこで、最初の一年目でさっそく期待に応えた。
そして、あらゆる仕事をそつなくこなし、余力を残しながら、まだまだ戦えるとヘラヘラ笑いながら、社会で偉業を残し続けた。

※この偉業について詳しく説明したいけど、古巣から許可とってないので、具体的な事例はミッフィします。
でも、すごい偉業で、
これまたイヤラシイけど会社には、数億円の価値をもたらす偉業です。

こんな結果を出しているのに、誰からも慕われてる。
さらに、他の人物の痣を発現させる。
これほどのミメーシスをぼくは、知らない。
おそらく、イエス・キリストや吉田松陰のような才能なんじゃないか、と思っている。

とにかく、Hさんの近くにいると、誰もが
たちまちに誰もが才能を発揮してしまう。
彼の言葉を信じて、その欠点を直せば誰もが、
社会で羽ばたいてしまう。

Hさんをよく知る元某ベンチャー企業のOB・OGたちなら、みな口を揃えて、そうだとうなづいてくれるはずだ。

ぼくは、彼の教育力の高さ
緻密な分析力と実践力と成果につなげる速度で、彼はなんだってやりたいことを叶えてしまうだろう。
※当の本人は、このことについてあまりにも無自覚であるから歯がゆいものだ。
あれだけの能力を持っているのだから、ぼくは、心の底から、彼が有名な人物になると思っている。
Hさんの名前が答えられないことが恥ずかしいことになってしまうくらいに。
だが、もちろん彼がそれを望むならではあるが。
彼がそれを望めば、きっとすぐにそれを実現してしまうとぼくは確信している。

そして、彼がすごいのは、謙虚である点だ。
どんな状況でも謙虚を貫く。
自分にはまだ至らない点がある。
まだダメ。
そう言って、怖がりながらも高みへ行ってしまう。







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