見出し画像

テクノロジーの創り出す未来を妄想してみる! ~ミライ・ミキサー テクノロジー編~

未来を妄想して語り合う「ミライ・ミキサー」という対話を発信しています。これまでに12回、毎回約1時間、ナビゲーターの浦野さんと私でミライに関連したテーマで語り合い、参加者の皆さんとも対話をしています。

今回は、過去の回で取り上げたテクノロジーの進化に関わる対話についてまとめてみます。

  • 第1回 AIが意志を持ったら?

  • 第3回 身体がデザインされるミライ

  • 第9回 バーチャルとリアルが交錯するミライ

AIは人間の知能を超えるか?

第1回のミライ・ミキサーでは「AIが意志を持ったら?」というテーマで語り合いました。AI(Artificial Intelligence:人工知能)は、急速に進化中であり、すでにチェス、将棋、囲碁において最強のプロプレイヤーに勝利しています。
AIは更に進化しますが、人間の棋士の知能には限界があります。これらのゲームにおいて、すでに、地球上で最強のプレイヤーはAIであり、もう人間が逆転することは困難です。

ミライ・ミキサーのナビゲーターの浦野さんはAI研究者。特に自然言語の領域の専門家です。AIを利用した自動翻訳技術は近年格段に向上し、無償の翻訳ツールでも同時通訳者並みの翻訳が可能になりつつあります。現在のAIは機械学習をベースとしており、翻訳ツールの学習には翻訳家が協力しているとの事です。実用的なサービスの領域でも人間はAIに敵わなくなりつつあります。

ではAIは意志を持てるのか? その前に、そもそも意志とは何か? 意志と意識はどう違うのか?
ミライ・ミキサーで話しているうちに、意識は認知していること。意志はもっと能動的な状態なのではないか。こんな話に展開したことは前回も書きました。

AIは人間の知能を超えるか? すでに特定の領域では超えています。人間はいろいろと幅広く思考し、行動することが出来ます。AIが人間と同じように意志を持って様々な行動を自律的に行うことが出来るようになるのか?

身体は自由にデザインされるようになるか?

第3回のミライ・ミキサーでは「身体がデザインされるミライ」について語りました。

2018年、中国でデザインベイビーが誕生したとのニュースが世界を驚かせました。この真偽は未だにわかりませんが、この時に CRISPR という遺伝子操作技術が使われたと言われています。この CRISPR は、遺伝子工学において革命的な技術であり、発明した2人の研究者は2020年にノーベル化学賞を受賞しています。

CRISPR は、従来の技術と比べて格段に容易に正確に遺伝子編集を行うことが出来る技術です。Netflixのオリジナルドキュメンタリー「不自然淘汰:ゲノム編集がもたらす未来」では、自宅のガレージで CRISPR の実験を繰り返したり、自分自身を実験台として注射を打つバイオハッカーが登場します。

そして映画「GATTACA」では、遺伝子編集で自由にデザインした子どもを出産することが当たり前になった未来に、自然分娩で生まれた主人公が苦悩する姿が描かれています。

ミライ・ミキサーでは、GATTACAの世界になったとき、自分の子どもに遺伝子編集を施さないことは、子どもたちの可能性を制限することになってしまうのではないか。もし自分たちがその立場になったら、遺伝子編集をしないことを選択できるだろうか?という深~い話をしました。

GATTACAのようにデザイナーベイビーが合法的に行われるようになってしまったら・・・バイオテクノロジーの進化は技術的な可能性を広げていますが、その結果訪れるミライは果たして正しく理解されているのでしょうか。

リアルとバーチャルの境界線

第3回のミライ・ミキサーでは「バーチャルとリアルが交錯するミライ」をテーマに語りました。

Facebookが社名をMetaに変えました。Metaは、メタバースという言葉から切り取ったもの。メタバースは、現実世界とは別の仮想世界を意味しています。Facebookは今後のビジネスをメタバースに注力すると発表しています。

2020年、新型コロナウイルスの感染が広まり、世界ではリアルな出会いが大きく制限されました。それまでは一部のアーリーアダプターな人たちだけが使っていた ZOOM が当たり前に使われるようになりました。ZOOMの株価は急上昇し、一時、時価総額がIBMを超えました。(現在は大きく減少)

ミライ・ミキサーもclubhouseから始まり、ZOOMに場所を移して開催し続けてきました。ナビゲーターの浦野さんはつくば在住。私は都内在住。海外や地方からも参加してくれる人がいます。この2年間でこのようなイベントが日常になりましたが、数年前から見たら、十分未来的な世界です。

遠くない未来には、ナビゲーターの2人もリアルではなくてアバターが喋り、参加者もリアルとアバターが混在するような世界が来るでしょう。ディープフェイク技術は、リアルな人間と見分けがつかない仮想人間を実現する段階に来ています。リアルとバーチャルの境界線はどんどん曖昧になります。

ミライ・ミキサーの対話では、メタバースに別人格の自分を投影することにより、今まで対人的なコミュニケーションが苦手だった人も自由に活動したり発言することが出来るようになるのではないか。リアルでは生きにくかった人が生きやすい場所が出来るのではないか。というポジティブな側面を話し合いました。はたしてメタバースは新たなユートピアになり得るのでしょうか。

未来への影響

3回のミライ・ミキサーの対話から見えてきたのは、テクノロジーの進化は加速していて、さほど遠くない未来にはこれまで不可能と思われていたことが実現される可能性がある、ということ。
たとえば、人間の知能を大きく超えるAI、自由に身体特徴をデザインできる遺伝子編集、リアル世界と遜色のない仮想世界、など。

テクノロジーの進化は止まりません。テクノロジーには、社会の様々な課題を解決していく正の側面がありますが、地球や人間社会に影響する負の側面も存在します。あるテクノロジーの正の側面だと思っているものが、別の視点では負の影響をもたらすこともあるでしょう。

テクノロジーが進化するとき、未来はどんな世界になるのだろう? そのテクノロジーによって何がもたらされるのだろうか。未来を様々な側面から妄想することで、テクノロジーによる未来への影響を考えておくことが重要でしょう。ミライ・ミキサーは、こんな思考のキッカケになれればと思って続けています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?