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エニグマ変奏曲と形而上学

今年も7/15からロンドンでBBCプロムスが始まりました。

1895年に創設されたプロムスは、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールを中心に、毎年8週間にわたって英国全土で開催されるクラシック音楽のイベントです。

2日目のプログラムでは、私の大好きな作曲家の一人であるエドワード・エルガーの「エニグマ変奏曲(Enigma Variations)」が演奏されました。

Youtubeではこのパフォーマンスをもう見ることができないので、代わりにVault(保管庫)にあったこちらの動画を置きます。

Enigma(エニグマ)とは「神秘的で完全に理解することが不可能に思えるようなもの」を意味します。

エルガーは、各変奏曲に自分と妻を含む友人のイニシャル、名前、ニックネームを記し、彼らの個性を感じさせる構成にしました。

人間は誰でもミステリアス(神秘的)な部分、他人から見ると理解しがたい謎めいた要素を持っているものですが、それをエルガーは変奏曲という斬新な形で表現したのです。

更に、エニグマ変奏曲には「隠された旋律」があるという説が有力ですが、その隠された旋律が何であるかは今も明らかにはなっていません。

私が特に好きなのは「第9変奏 "Nimrod" (ニムロッド)」です。

ヴォーカルグループのVOCES8が歌う「Lux Aeterna(ルクス・エテルナ)」は、この「Nimrod(ニムロッド)」を音楽家のジョン・キャメロンがアレンジした合唱版です。

「隠された旋律」に由来するのかどうかは分かりませんが、この曲を聴いていると、なぜかとても荘厳で神秘的な気分になり、自然と胸が熱くなってくるから不思議です。

それが「Enigma(エニグマ)」と呼ばれる所以かもしれません。

私が日々学んでいる形而上学も、まさに「Enigma(エニグマ)」そのもの。

私の形而上学への探求は終わりがありません。

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