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マッチングアプリで出会った年上の彼

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#ノンフィクション

T氏との待ち合わせ

T氏との待ち合わせ

T氏が買ってきたお土産を

受け取りに出向いた。

彼が指定した場所は、彼の自宅から数分の最寄り駅だった。

私の自宅では無く、T氏の自宅の最寄り駅。

お土産を受け取りに片道40分かけて

私は受け取りに行くのである。

「どうしてもやらなければならない事があって

家から離れることができないんだ」

お詫びの言葉と共に、待ち合わせの希望日時が書いてあったT氏からのメール。

何の事情かは分から

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見慣れない番号からの連絡

見慣れない番号からの連絡

T氏宛のメールは、一向に既読にならないまま

月曜日が終わり、

もう連絡は来ないなと思い始めた火曜日の夜、

見慣れない国番号からメッセージが入っていた。

音信普通になっていたT氏だった。

「お土産があるから渡したい。会えるかな?」

T氏は私の住む国に既に帰国していた。

見慣れない番号に変えた理由など

何があったかなどは特に書かれていなかった。

T氏から連絡が途絶えた週末を挟んだ4日

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音信不通

音信不通

マッチングアプリで知り合った

6才年上のT氏。

最後に私が連絡を入れてから2日が経った。

私から連絡を入れてみることにした。

さり気ない内容のメッセージ。

でも、一向に既読にはならなかった。

だから辛くなってゆく

だから辛くなってゆく

帰りの電車で、

6つ年上の彼から貰った紙袋を開けてみた。

中には小さな箱がひとつ。

チョコレートの詰め合わせが入っていた。

フランスといえば、チョコレート。

彼から御馳走になってばかりなのに

お土産を貰うとは予想外だった。

家に着くと、彼からメールが届いていた。

無事に着いたかどうか、

楽しかったの決まり文句

そして、その後に続くメッセージ

『もしかして、

  もう過ぎてし

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こうなることを彼は予想していたの?

こうなることを彼は予想していたの?

門限まであと10分。

私の住む国は日本と違い、

外出制限という政府からの規則があった。

運悪く警察に捕まれば、

罰金の支払いを要求される。

日本円で約15,000円のペナルティ。

「コーヒーだけでも飲んでいったら?」

急いで帰ろうとする私に

キッチンから戻ってきた彼が呼び止める。

「ううん、もう帰らなきゃ・・」

ケーキやコーヒーなんてどうでも良かった。

(これから電車に乗るわ

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