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THE BOYZが教えてくれたKPOPの可能性

カラットでありシズニであり音楽業界で働く私が、友達に連れて行かれた「ZENERATION」というドボイズのツアーで感じた彼らの可能性についてどうしても書いておきたい。(元々曲はほとんど知っているがメンバーは知らないし人数もわかっていなかった予備知識ゼロ)


ネガティブ要素がない高平均点

ステージを見ていて特別ダンスや歌のスキルが高い訳ではないのに、なぜだか目を惹いた。分析しながらみると、彼らの中でずば抜けた超才能みたいな目を惹く存在がいるわけではないが、ミスったりスキルが低かったりして目(注意)を引く存在もいなかった。

つまり、チーム全体の平均点が高くてネガティブな要素がないということで、これって本当にすごい。圧倒的カリスマみたいな存在がいたり、群舞の時にずれいていたりするだけで、こちらの集中力は下がる。(良くも悪くも)(まあ確かにソヌは目を惹いたし気になったけど。)

スペシャリストを集めるSMのように各社やり方はあるけど、彼らの場合はキングダムなど経験の上でできている形だと思った。韓国のエンタメは上に追い付けないネガティブな存在や要素を取り除いていくやり方が多いけど、まさにそれだった。(日本は反対に下を持ち上げてポジティブを褒めるやり方)


スキルを上回る表現力・演技力

上のトピックに近いけど、スキルがずば抜けて高い訳ではない分、それをカバーしているのが「表現力」と「演技力」だと思う。どのグループよりも圧倒的で全然違う。本当に見惚れた。

こなしている感や手抜き感が出がちなライブで抜かれた映像が、彼らの場合完璧で、楽曲とコンセプトと感情の理解が深くてメンバー全員同じテンション感でパフォーマンスしているのが印象的だった。

例えば『Savior』や『ROAR』のような闇サイドの曲で、影を見せつつ目だけで口だけで笑うっていう表情管理があったとして、他のアイドルがやると「なんでここで笑う?」となりコンセプトとの不一致を感じがちだが、彼らは楽曲の理解力のレベルが全く異なるからできている。しかもメンバー数人とかではなく、全員できる。自分がカメラに抜かれたらその一瞬で全員が魅せられる。視線管理、表情管理、指先、顔の角度、体の向き、その細部に至る全てにおいて。

ダンスがずれていてもピッチが外れていても、それらのスキルを上回る圧倒的な表現力や入り込む演技力があるだけで、全然そのミスに気を取られないし、何なら各々の解釈でそのパフォーマンスになっていると腑に落ちることさえある。この辺りは少し日本の坂道やジャニーズに通ずる部分かも。(素材の良さとグループの平均点は全く異なるが。)


「アイドル」であるという明確な自我

KPOPのライブにいって死ぬほど笑ったことがあるのはSHINeeとセブチくらいだったけど、MCで死ぬほど笑った。シンプルに面白くて笑ったのもあるけど、ほとんど日本語でキザなセリフをテンポよく話しているのが、パフォーマンスとのギャップで凄くて。

何がすごいって彼らはアイドルという自我が明確にあって、それを全力で全うしているということ。しかもファン(ドビ)もそれを自覚した上で、しっかりアイドルのファンとしてのリアクションをしている。他アイドルのMCは、どうしても疲れているし他言語だから口数も少なくて、はっきりとした切り替えがあるんだけど、それがない。ずっと'オン'な状態だった。本当に楽しかった。

完全にドビになった今もその印象は変わらなくて、この子達は本当にアイドルをやりたくてアイドルになっているんだなと感じるし、本人がそうは思ってないくてもちゃんとアウトプットとしてはそういう印象を受けとる。オフな時は思う存分オフでいて欲しいけど、何となくドビや人目に触れる際は無自覚でオンになっていそうな気がした。天性。


THE BOYZが教えてくれたKPOPの可能性

上にも書いたけど、彼らは日本のアイドルの良さとKPOPの良さ両方を兼ね揃えていると思う。一歩間違えば、彼らは新大久保ドル・地下ドルなど言われているところを耳にしたことがあるけど、そのギリギリラインをビジュアルと表現力で突破している。

圧倒的楽曲と素材の良さと、日本で通用するアイドル性(表現力と自我)を兼ね揃えているのだから、あとはマーケティング次第。たまアリでZENERATIONを見た時、「これドームでやりなよ」って本気で思ったしずっと口に出してた。彼らにふさわしい場所だと本気で思うから、マーケティングどうか頑張ってください。


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