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沖縄コーヒー農園の、猫とニワトリ

絶賛タイ旅中だけど、去年の今頃に行った沖縄のコーヒー屋さんのことをふと思い出した。

いいコーヒー体験は、コーヒーの味がよければいいってもんじゃない。いまぼくがパッと思いつくナイス・コーヒー体験は、冬のコンビニ駐車場、急いで車に乗り込んで、やっすいコーヒーを啜ったことだったりする。コーヒー中毒のぼくは、ここバンコクでもナイス・コーヒーを探すことに余念がないんだけど、なかなか難しいよね。

去年訪れた、沖縄はやんばるのコーヒー屋ショップ「ヒロ・コーヒーファーム」は、大変よろしいコーヒー体験だった。

冒険心を刺激するねえ

ヒロ・コーヒーファームへのアクセスは車が必須。バスとかでも行けるっぽいけど、だいぶめんどいと思う。アップダウンのある道のりは自転車のトレーニングにもってこいらしくて、サイクリスト(ガチのやつ)が休憩地点として利用することがあるみたい。間違ってもママチャリで挑まないように。

とび出し注意なヤンバルクイナ

北谷町から海岸沿いにのんびりと車を走らせ、やんばるをドライブ。大宜味村、国頭村と通りすぎ、沖縄最北端の辺戸岬へたどりつく。ここまでの道のりは本題じゃないからこれくらいにしとくけど、このやんばる西海岸はめちゃくちゃ雰囲気よかった。時間が止まってしまったかのようなゆったり感。青い海を一人占め。沖縄チル・ドライブしたい人はいってみて。

西海岸を北上して島の端っこにたどり着いたら、東海岸をくだって帰る。開けた窓から入ってくる風がとてもよい。このままずっと走ってたいなあ、なんて思っていると見えてくる、手作り感満載の看板。

「HIRO COFFEE FARM」の看板

そして手作り感満載の本体。

コンテナを改装してつくったお店

コーヒーやフードも売ってるし、店内では地元アーティストの作品を販売してたりする。今はどんなん飾ってんのかなー。

天気さえ良ければ外の席でコーヒーをいただき、身も心もとけてしまうのがよし。オープン・ユア・マインド。周りにはほとんど店もほないし、家も見当たらないから、ひたすらにのどかな空気が流れる。風の音、たまに通る車の音、どこかで猫が走り回ってる音、くらいしかしない。

お出迎え

先客でおじさんが一人来てたけど、コーヒーを飲み終えて帰っていった。この空間を一人占めしておおいに満喫。コーヒーとホットドッグをいただく。猫が様子をうかがいに来たけど、ちょっとホットドッグはあげられない。黒いブラックドッグは、ここでつくったコーヒー炭を練り込んでるらしい。おいしい。

ホットコーヒー(550円)とブラックドッグ(500円)

初代オーナーの足立浩志さん(沖縄・コーヒー栽培のパイオニアだそうで)がつくったこのお店。今は娘さんのあきこさんがやってる。あきこさんは大阪育で、がっつり関西弁。めちゃ話しやすくて、いろいろ教えてくれる。焙煎前のコーヒー豆を見せてくれたり、コーヒーの苗木について説明してくれたり…。コーヒー育ててみたくなる。

こんなゆるふわな雰囲気の場所だけど、何度か台風にやられて壊滅状態になったこともある。プレハブ小屋だから、大きな台風が来たらひとたまりもない。その度に、自分たちで店を修理し、コーヒーを植えなおし、ここまで続けてきたらしい。そういうたくましさもあったりする。

裏の農園でとれたコーヒー豆

ニワトリもいる。もう目が見えないとのことで、おんなじところをウロウロしてる。と思ったら猫が走り抜けていく。ほのぼのしとるなあ。

ニワトリっていざ目の前にすると迫力あるよね

ほんとに、こののんびり感とあきこさんのホスピタリティで、いつまでもいられる場所。「もう行かないと!」ってならないと動けない。沈没してまう。

なにかと忙しいこの時代。ただのんびりとコーヒーを飲む贅沢な時間。
生産性とか、効率とか、いま流行りのタイパとか、それぞれ大事かもしれないけど、それは本当に大切なゆったりした時間を守るため、よね。すべてに効率を求めて、効率よく不幸せになってたらしょうがないし。うまく付き合うことが大事ね。

「沖縄の魅力は山にあり」って誰かが言ってたけど、やんばるはやっぱいいなあ。コーヒーを飲み終え、それでもダラダラとしてるうちに、全部どうでもよくなっちゃった、ナイスなコーヒー体験でした。

なんくるないさー。


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