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おいしい時間◎その3

近頃、体重が増えた気がする。
気のせいではないけれど、体重計に乗る気にはなれない

最近、自分へのご褒美にと、
甘いものを食べすぎてしまったのが原因だと思う。

そして、コンビニに寄るとついついホットスナックを買ってしまう。
脂が注入されたフライドチキン等を食べるあの至福。
ご褒美はたまにあるからいいのであって、常に自分に与えてはいけないと実感。


ということで、今日は自炊!
野菜とそれからお肉を買う。
スーパーもいいけど、自宅の近くにある肉屋さんや八百屋さんに行こう。
近所の経済に貢献するのです!

八百屋でトマトと葉野菜を選び。夏だから冷しゃぶにしようと心に決める
そして明日はささみのチーズ焼き。高タンパク質で、ああ、夏バテ予防に大葉を買おう。そして、お店をスーパーではなく各専門店にしたことにより、いつもより多めに歩くという、完璧な計画。

今日からはコンビニに寄ると、ついつい買ってしまうから。
よーく考えて行動しよう。

さぁ、気を抜かず、次へ向かいます。


―――――目的地、お肉屋さんに着く、おいしそうな香りに心が膝から崩れ落ちた。

昔ながらの店構え、少しだけ薄暗く感じる店先。
ガラスケースの中のお肉はどれも美味しそう。
それよりも私の心を挫いたのは、オレンジ色のあたたかな灯りに照らされた。

魅惑のコロッケと唐揚げ。脂!衣!うまみ!
私は豚肉の薄切りと鶏のささみを買いに来たと言うのに、これ以上体積を増やしたくないのに……。

お肉を選び心を鬼にして、お会計をしたらすぐに去ることにしよう……
と、したのですが、しかし。

「コロッケ揚がったよー」という一声に私は……。
きつね色の衣にキラキラと油が光る。揚げたてのコロッケを即購入してしまった。

出来立ては出来立ての内に食べるのが礼儀。
お行儀悪いですが、その場で口に運ぶ。

サクっ……。衣に味が付いてるので、ソースはつけない派。
ほどよい味のする衣の向こうにはほくほくのジャガイモがあいびきのひき肉から出るうまみを受け入れていて、それが口の中で広がり幸せと言う物質になる。
少量のしっとりした玉ねぎの甘みとジャガイモのやさしさ。
素朴な味なのに脳みそに恥じるびりびり。

何か懐かしい出来立てのコロッケ。

ああ、神様。揚げ物は罪です。この美味しさは罪です。

……。少し、おさんぽして帰ろう。
ちょっと痩せたら、またコロッケを買おう。

昔は家で作っていたけど、この味はお肉屋さんでしか食べられない特別な味だと思う。
家で作るのは手間だから、実家で親と一緒に作ろうかな。
沢山作れて幸せだろうなぁ。

お腹いっぱいにコロッケを食べるのを夢見て。
私は、少し遠回りの道を選んで、家へ向かった。

このゆったりした時間は
学生時代に戻った様な、おいしい時間でした。

大切なお時間をありがとうございます! 少しでも、心に何かを残せたなら幸いです。 少しでも良いと思って頂けたら他作品や、イベント、カフェあめだまをチェックやスキやサポート頂けたら嬉しいです(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎) 全て活動に還元し、また何か作品をお届け致します。