誰かを好きになってはいけない人達

告白してはいけない人達の続き。

告白をして告白を保留されていた観測対象のかいくんが、さっきSNS上で振られたことを報告していました。

俺は告白をする前に性交渉をするべきだよねということを強く思っていたし、今からでも遅くないからするべきだと前のnoteで書いた。
ツイートだけではうかがい知ることはできないが、映画館で肘と肘が触れ合ってドキドキしているようなので、おそらくエッチはできていないのだろう。

観測されていない限り光が「粒子」と「波」の性質をあわせもつように、かいくんとソラちゃんの関係も「フラレてる」と「フラレていない」が重ね合わさったような状態だった。シュレディンガーの猫を殺しちゃったのは誰なんだろうね。
それはきっと他の誰でもない世界の調整力というものなんだろう。

かいくんは人狼ゲームで戦犯をしてepで皆からけちょんけちょんに貶されても気丈に振る舞ってた、だのに女性と付き合えないことが確定しただけでこんなに悲しそうにするなんて、俺は感動したよ。
本当に感動してる。悲しむことができてよかったね。

何年か前ピンサロにかいくんが友達と連れ立った際に、嬢に対して理路整然とした口調で説得して性サービスを拒絶したという彼の人となりをあらわす強烈なエピソードがある。

そんな我欲をママの産道に置いてきてしまったようなかいくんみたいなハイクラスアスペルガーでさえ、恋だの愛だのを「克」することはできないんだねぇ。

あの時、ブロッサムという人狼plが異様にかいくんの言動をきもがっていたことを思い出す。きっとブロッサムが今のかいくんを見たら、ようこそウェルカムトゥ健常者ワールドへと耳元でささやくのだろうか。
あるいは、やっぱりかいくんはきもいままなのだろうか。

こんなにも俺がかいくんのことを気にかけているのにはワケがあって、それは俺もかいくんと発達障害で言うところのグラデーション的にそれほど濃度の変わらない「アスペ」だからだ。
自由恋愛について―――、これほど俺たちを悩ませるトピックも人生もといアスペ生にはそうないだろう。

俺とかいくんが異なる点を一つあげるとすれば、俺の方がかなり肉欲に対して正直なタイプだとは思う。
かいくんみたいに俺も本心から誰かを好きになるなんて思ったことは一度もなくて、かわりに明確にエッチがしたいという先行する気持ちがあった。だから、そこに恋愛の本質を見出すことができた。

さてそこで、ハグ程度で十分に満足してしまって、明らかに幼稚園生レベルで性に対する感受性がストップしてしまっているかいくんの立場になって想像してみると、おそらく彼は恋愛関係の本質を依存に見出すだろう。
だからかいくんは「自分は他の人と比べてどう考えても劣っている」のをフラれた原因として考えてしまうのだ、そういう認知になるのは、彼が依存するものにしか関係を見出すことができないからだ。

恋愛の本質は、関係において何を基調とするかだと俺は思うよ。

凡百のメンヘラーみたいに依存関係と恋愛関係を取り違えてしまうのは、人間ひいては他者への理解が不十分だからだと思う。
こんなに努めて関係について考察してる俺でさえもバチバチの健常者からしてみれば一笑に付されるほど幼稚で稚拙な見方しかできていないんだと思う。

俺たちはアスペとして生まれて、告白をしてはいけない人達で、絶対に誰かを好きになってはいけない人達で、それでも人間を辞められなくて。
どれだけキモくて他人を不快にしてしまっても、しがみついて、踏みつけられても跳ね返して。
そうやって泥みたいに生きて、とにかく考えて考えて、実行して、それは全然駄目だった。

そこに「まなざし」があれば。
優しく慈愛に満ちた「まなざし」が、
厳しく糾弾するような「まなざし」が、
こっちなんて全く無関心な「まなざし」が。
あるいは救われるかもしれないと思った。

アスペにも健常者のふりくらいさせて欲しいものです。


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