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すみだ水族館を推している話

昨日すみだ水族館の年間パスポートを改めて購入した。
久しぶりに行ってみたんだけど、想像よりずっと元気になれたのでみんなにお勧めしたい。

水族館としての技術的なこと、専門的なことはHPにも記載があるだろうし、わたしはいうほど魚の鑑賞に愛嬌を感じないので割愛するとして。

●匂い

これは得手不得手あるだろうな。いいにおいなの?と訊かれると「う~~ん」ではあるんだけど、なんだろうな~何のにおいなんだろう。アロマではあるんだけど、柑橘系とか花の香りみたいな感じではなくて、整体とかでリラックスを促してます~みたいな感じの香り。

調べたら、時間とブースによって香りを変えてるらしいわ。

PM17:00までのエントランスの香りは「アロバランス」というオーストラリア生まれのアロマらしい。ストレスを和らげることが科学的に検証されていて、交感神経に影響し睡眠の質を高めたりストレスを軽減させるらしい。
わたしの嗅覚ではスッキリ、さっぱりした爽やかな香り。風通しのいい、涼しい日陰の森林みたいな。ウッディではない。風通しが涼しい夏の森の中みたいな感じ。
展示が結構水草メインの水槽で、水の中の森林ぽさがあるのでマッチしてると思う。この水槽内のデザインがとてもかっこよく、水草についた気泡などを眺めていると大変落ち着く。

PM17:00以降はエントランスが「レッドウッド」の香りへ変わる。わたしが足しげく通っていた時は基本的に閉館ギリギリだったので、こっちの香りのイメージが強い。
アロバランスよりもずっと落ち着いたスモーキーさを感じる香りだと思う。もっと森っぽいというか。ああ、こういうときウッディって使うのか?いや木の香りよりはハーブというか、草の香が強い気がするな。
少しだけスパイシーで、大人っぽいというか。爽やかよりは落ち着いた香りになってると思う。

5Fのペンギンプール付近は「エバーグリーン」。これは嗅ぎなれた清涼感のある香り。これも結構グリーンを感じるかな。一貫して館内に甘さがないのが個人的には助かっている。
ペンギンの生臭さみたいなものはほとんど感じないのは、実は結構すごいことなのだと聞いたことがあるけど、専門的なことは知らない。

●館内BGM

もともとLo-Fiミュージックを作業用BGMにしたりソルフェジオ周波数を聴きながら寝るなど、喧噪をシャットアウトしてインストだけを聴く習慣があったのもあり、閉館間近の客足の少なくなった館内に柔らかく流れる落ち着いたヒーリングミュージックが浅くなった呼吸を穏やかにしてくれる気がする。

あとたぶんわざと水中の音を流してる気もする。思い込みかもしれない。また確認しに行ってみる。
水中のくぐもったごぽごぽ音は、胎児のときに聞いてた音に近いとかでリラックス効果がすごく高いらしい。落ち着いてただ水に流されるクラゲをぼんやり眺めていると、とても落ち着く。

●ライティング
これも好みが分かれるとは思うけど、わたしは夜のあの青く暗い館内が好き。頭痛もちにはご理解いただけると思うんだけど、白い明るいライティングってかなりしんどい。青いライトが飛び込み防止のために電車のホーム備え付けられているが、これは青いライトには沈静効果があるかららしい。
館内真っ青なので、沈静されまくる。海底のような暗さなので段差には気を付けたいけど、基本的にはバリアフリーなので、危なげはない。

●超個人的な通いやすさ

押上に住んでるのもあって、最寄駅なので退勤時間によっては全然寄れる。食べ歩きはNGだけど飲食持ち込みは問題ないので、年パスは買って損なし。
これだけ癒しの効能があるなら寄って帰りたいものである。
本を読むには少々暗めなので、わたしはiPadで編集をしたり色塗りをしたりなど…長時間滞在できる空間というか。カフェに行くなら座ってお茶でも飲むか、みたいな。
年パス見せると館内のカフェのドリンクが100円になるので、ちょっと寄るのにとてもいい。
土日は混んでるので、平日の夜とかに寄ってたんだけど、めちゃめちゃいい。

●順路がない
これってみんな気にしてるものなのかわかんないけど、小さな水族館なのでぐるぐる行ったり来たりがいろんなルートからできる。来た道を戻るんじゃなくて、来た道の続きに前の展示に戻れるルートがあるイメージ。実際に順路の矢印はないので、好きなように見て好きなように素通りして、好きなように座る。自由に回れるのがお気に入りスポットがある年パス勢からするととてもよい

●自然水景
今まで環境について好きなところを上げてきたんだけど、それはそれとして展示はどうなのよっていわれると、わたしは最初に展示されてる自然水景がとても好きである。
たぶんなんか有名な人が作ったんだろうけど、よく知らない。ただただ、水草が茂って酸素が作られている景色に癒される。水草にぷくぷくと気泡がついてるのがわかるんだけど、わさわさ茂った水中の森の中の呼吸がそのまま見えるのがきれいで。

朝露のついた草木が好きだったり、雨粒が葉についてまんまるくなってたりするのをきれいだと思うし、それを写真に撮るタイプだからなのか、同様の感動がある。

出張のついでとかで他県の水族館にも行ってみて、落ち着くのはやっぱりすみだ水族館だった。もちろん思い入れや慣れがあるけど、香りとライティングは断トツで自分にマッチしている。
そのうえで、同じ生体を展示するといってもまったく異なるアプローチがされていて、美しさも多様だった。
太陽光が取り入れられる水槽がある水族館は、水の煌めきが最高に美しく、人工的には再現できないだろうと感じさせる。
写真をそれなりに撮る方ではあるけど、やっぱり自然光の美しさは再現できない。独特の温度があると思う。好きだと思う写真は、だいたい陽光がいい仕事をしているものばかりだし。

比較して、生物の種類の多さや大型水槽を目玉にしている水族館の迫力やには劣るかもしれないけど、すみだ水族館のリラックス環境の提供という面ではわたしは大満足している。
お勧めしたい。あと匂い嗅いでほしい。なんか不思議な匂いなんだけど、胸のすく香りなんだよね。