見出し画像

[小児科医ママ] 手足がつめたい。紫色っぽい。これって大丈夫?

寝ている赤ちゃんの足をさわったら、
すごく冷たかったです。
お部屋をもっと暖かくしたり、厚着させたほうが良いんでしょうか?

足が紫色っぽくて、血の気が良くない気がします。
なにかの病気ですか?

こんなご相談をよくいただくので、お答えしていきます。

手足だけ冷たいのは、正常・健康です。


赤ちゃんの手足の血管は、まだまだ細いです。

また、血管に血を流れるようにするには、
血管をプッシュするための、筋肉が必要です。
赤ちゃんの手足は、まだまだ筋肉も少ないですよね。

このため、赤ちゃんの手足には、
大人のように十分な血流がいきわたりません。

どうしても手足が冷たくなってしまうのですが、
赤ちゃんならでは。
これは正常なことです。

手足だけ紫色なのも、正常・健康です。

血流が十分にいきわたらないと、
お肌の色も、どうしても悪くみえます。

ただし、これも手足だけであれば、正常です。
足だと、太ももあたりまで紫っぽくみえることがありますが、
これも異常ではありません。

「寒いか暑いか」のチェックは、胸・お腹・背中で。


というわけで、

手足を触って冷たいからといって、
赤ちゃんの体温が低い。赤ちゃんが寒いと感じている。
…というわけではない。

んですね。

赤ちゃんとしては、別に正常な体温で、
心地よい室温・気温であっても、
手足はどうしても冷たくなっちゃうんでした。

では、赤ちゃんにとって寒すぎ・暑すぎじゃないかは、
どうチェックしたらいいか。

米国小児科学会は「赤ちゃんの胸をさわって、暑ければ、それは暑すぎのサイン」としています。
寒すぎの場合は記載がありませんが、さすがに大人がものすごく寒い、と不快に思わない限りは、その室温で問題ないでしょう。

「厚着させすぎ」は、乳幼児突然死症候群のリスク。


むしろ、寒いかな?と思って、
厚着させすぎたり、室温を高くしすぎると、
乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスク
になります。

SIDSは様々な因子が絡み合って生じる、赤ちゃんの突然死ですが、
その因子の一つに「温めすぎ」があります。

英語では "overheat" などと言われますが、
要は、赤ちゃんを温めすぎることで、
自律神経の機能が阻害され、結果として突然死をもたらす

という考えです。

SIDS対策として、室温や赤ちゃんのお洋服の目安などは、
過去noteにまとめています。

部屋の広さ、湿度、日当たりなど、
住環境は様々なので「絶対にこれがいい!」というものはありませんが、
少しでも参考になれば幸いです。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?