矢島沙夜子(KLOKA アートディレクター)

KLOKA アートディレクター/アーティスト/デザイナー 。チョコレートから茶運び人…

矢島沙夜子(KLOKA アートディレクター)

KLOKA アートディレクター/アーティスト/デザイナー 。チョコレートから茶運び人形まで色々作ります。人間のお家もデザインします。人形のお家(ドールハウス)も作ってます。装苑ブログに執筆中。こちらに新しく日記開設しました。instagram @sayokoyajima

マガジン

  • トルコショックからの回復旅行記 〜矢島真剣トラベローグ〜

    これは極東の島国の矮小人間がトルコに憧れトルコを訪れ、そしてもろにカウンターを食らって落ち込み、やがて復活して懲りずにまた行きたいと思っている、大きな愛でもって小さな戦の数々を記したモノローグ・トラベローグです。 あくまでもごくごく個人的な体験と感想に基づいた記録です。

最近の記事

UTALIIのこと

もう今年で7周年のhair salon and spa UTALII。おめでとうございます。 ただ頑固で強いフィロソフィーを表現し続けることは意外と簡単で、それは思想のもとに生きて(そして死ぬ)美しさがあると思うけれど、もっと形を変えながらも確かに存在し続ける、なんていうか、微生物のような類のフィロソフィー(褒めてます)もこの世界にはありますよね。例えばUTALIIはその代表であると私は思っている。やわらかで、やさしく、そしてなんというか恐ろしいのだ。 以下は私がUTAL

    • 真剣トラべローグ 突入!宮廷のお台所!の巻〜トルコショックからの回復旅行記その4〜完結編

      イスタンブール 4日目 おはようございます。昨晩は全身ペースト状の豆的な何かでぎっしり満たされた己の体を、すぐさまそっと横たわらせることに成功し、まるで芋で出来た鈍器で静かに殴られたかのような傷ついた私の心と体は、やがておぼろげなイスタンブールの月夜に静かに溶けてゆきました。寝入り端にすこし冷静になりふと頭をよぎったのは、よもや何もかもが幻だったのではないか... 塩分濃度と記憶の残存率は比例しているのだろうか... ということだったけれど、そのままぼんやり寝付いたら、意外

      • 真剣トラべローグ 宮廷食アドベンチャーの巻〜トルコショックからの回復旅行記その3〜

        イスタンブール 3日目 さて失意のデライト紀行(デライト=トルコの甘菓子)で丸半日つぶしてから一晩明けたイスタンブール3日目。哀しみを肥溜めに埋め、武器を捨て、猫をなで、わたしは農耕にこにこ民族代表としてこの異国の大海原を航海しに行くのだ。己のものさしでにわか悲しんだりイキったりしている場合ではない。彼らは羊と暮らし、羊を愛しながら、羊を食べる民族なのだ。それは残酷でもなんでもない、生きるということなのだよね。(うん大丈夫、私すでに賢者の心を耕し始めているね。) というこ

        • 真剣トラべローグ  失意の甘菓子紀行〜トルコショックからの回復旅行記その2〜

          イスタンブール2日目 後半戦さて、羊の香りはするけれど羊の肉は入っていない5種類のペースト状食物を、固くなったトルコ風フランスパンで丁寧にすくい取って胃に納め、食後の甘いお茶(最初から甘かった)を無心に流しこむと、ようやくお留守にしていた文明生物ヒューマノイドの穏やかなこころが我が肉体に戻ってまいりました。こうして小雨のイスタンブールを食堂の中からぼんやり眺めていると、あらためて当たり前のことに気づく。わたしは異邦人なのだ。人間界ではそれを好意的にゲストと呼び、動物界ではそれ

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        • トルコショックからの回復旅行記 〜矢島真剣トラベローグ〜
          4本

        記事

          真剣トラべローグ 極東から愛をこめて。〜トルコショックからの回復旅行記その1〜 絨毯の変

          実はトルコに行ってきた。実はっていうか普通に行ってきたんですけど、一年ほど前。この地への想いを咀嚼するのに随分時間がかかりまして、今ようやく己の眼を曇らせることなく、一、異邦人としてイスタンブール・トラベローグを記すことができるようになりましたので、筆を取りたいと思います。両世界の愛すべき人々、そして神たち精霊たちよ。これは極東の島国からやってきた矮小イエローモンキーの、ごくごく個人的なモノローグである。 この旅はそもそもが、玉ねぎ屋根が見てみたい、オスマン帝国のお料理食べ

          真剣トラべローグ 極東から愛をこめて。〜トルコショックからの回復旅行記その1〜 絨毯の変