見出し画像

記憶に留めておきたい、8人の作家と4冊の本の話

断捨離したことで自分が抱えていたたくさんのものを手放し、余白を作り、「自分が本を読むことが好きである」ことを思い出して、2年半が経った。

毎日本を読む生活を始めて、2年が経った。
読んだ本の感想を書き留めるようになって、1年半が経った。

週に数冊程、様々な本に触れるようになったのだが、
それでも1年に1度や2度。
すでに読んだ本を読み返し、自分を整えることがある。
読み返さずとも、「この本面白かったな」「好きだったな」と本に想いを巡らすことがある。

今回は、24年間で出会った、とても大好きな作者・本を書き留めていく。
そんなお話。

作者編

梨木香歩さん

小学生の頃、担任の先生が勧めてくれた「西の魔女が死んだ」「裏庭」を読んだことが出会ったきっかけ。
梨木香歩さんといえば「西の魔女が死んだ」を想起する方もいらっしゃるのではないかと思うが、個人的には "13歳の主人公が裏庭を抜けた異世界を旅しながら自分と向き合う" 様子が描かれたファンタジー作品である「裏庭」が好きだ。


湯本香樹実さん

梨木香歩さんと同じく、小学校の当時の担任の先生が勧めてくれた「春のオルガン」「夏の庭」「ポプラの秋」で出会った作者。どれも10歳前後の当時の自分と同じくらいの少年少女が主人公であったため、子供ながら"家族との関係"、"生死について"、"大人になるということ"とどう向き合うのかを本の主人公と重ねて考えていたような。


星新一さん

中高生の頃、図書館にある星新一さんの本をほぼ全て読んだ記憶がある。星新一さんと言えば"ショートショート"で、1つの話が短いながら人類への皮肉をSFチックな世界観と奇想天外な結末に込めて描く作風が好きだった。"SF" "伏線回収"好きはここから始まったのではないかと思う。作品の中では、「ボッコちゃん」「ようこそ地球さん」が特に好きだった。


宮部みゆきさん

中高の頃、よく読んでいた覚えがあるミステリー作家さん。特に「レベル7」は予想だにしない展開にハラハラドキドキしながら読んでいた。


東野圭吾さん

中高の頃、宮部みゆきさんと合わせてよく読んでいた覚えがある。特に、強盗殺人犯の兄とその弟を描いた「手紙」は、ミステリーやサスペンスの中でも兄弟の絆を描いた心揺さぶる作品で好きだった。シリーズものの中では、「新参者」シリーズが好き。


上橋菜穂子さん

大学受験が終わった時に本を読みたい衝動に駆られ、近所の図書館に入り浸って読んでいたのが、上橋菜穂子さんの「精霊の守り人」シリーズ「獣の奏者」シリーズ。どれもファンタジー作品で、作り込まれた世界観と個性豊かな登場人物と、文字からでも感じられる壮大な情景がまるで自分が旅をしながら物語を進めているような気持ちになれて、世界観に没頭できる作品。最近書かれた「香君(上)(下)」も面白いと、中高の頃の現代文の先生が言っていたので、読んでみようと思っている。


辻村深月さん

中高の頃、そして休学中と大学4年の頃によく読んでいた覚えがあるミステリー作家さん。時系列が前後したり、人物ごとの視点で話が進み、最後に全体像がわかるという作風なので、伏線回収が好きな方にはとてもおすすめの作家さん。結構色々な作品を読んだが、特に「冷たい校舎の時は止まる」「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」が面白かった印象。
読んでいた当時は知らなかったが、辻村深月さんの作品も伊坂幸太郎さんのように作品同士が繋がっているらしいので、伊坂幸太郎さんの作品を全て読んだ後には辻村深月さんの作品を順番に沿って読んでみようと思う。


伊坂幸太郎さん

中高の頃、そして昨年今年とほぼ全ての長編小説を読み進めたほど、今最も好きな作家さんである。
伊坂幸太郎さんと言えば"鮮やかな伏線回収"の印象が強いのかも知れないが、個人的に伊坂幸太郎さんの作品が好きな部分は、哲学や物理・科学法則などの学問を話のエッセンスとして加えながら、1つの作品ごとに1つの強いメッセージ性を持たせている点である。作品では、特に「砂漠」「重力ピエロ」が好き。


本編

19分間(上)(下):ジョディ・ピコー

一度しか読んだことはないが、とてつもなく記憶に残っている本。
銃乱射事件が起こった、アメリカの高校に通う高校生を主人公とした話。銃乱射事件によって、事件が起きていた19分間の記憶を失った主人公が記憶を取り戻すとき、事件の真相が明らかになっていく。
「上橋菜穂子さんの"香君"が面白いよ〜」とお薦めしてくれた、高校の現代文の先生に同じくお薦めしてもらったのだが、高校時代に読んだ本の中で最も衝撃を受けた小説と言っても過言ではない。
当時は読書記録をつけているわけでもなく、読んだことを数年の間忘れていたのだが、本を読むようになって”あの本の名前はなんだったか…”と記憶を辿り、あらゆるキーワードで検索し続けてやっと思い出した一冊なので、その思い出もプラスしてとても記憶に残っている。


流浪の月:凪良ゆう

2020年に読んでから今まで、5,6回ほど読み返している小説。
公園で雨に濡れた女児を保護するも”誘拐罪”で逮捕された青年と”被害女児”とされた少女が、15年後に再会する様子を描く作品。どう生きていくにも過酷な現実が待ち受ける中での2人の在り方に胸を打たれる。
凪良ゆうさんの文体から想起する情景は、少し色褪せているが鮮やかで夢のような瞬間をフィルムカメラで切り取ったようで、そういう文体もとても好き。今を忘れて、自分を物語に溶け込ませたい時に読む作品。


百年法(上)(下):山田宗樹

こちらもすでに3,4回ほど読み返している小説。
不老不死が実現した日本を舞台としたSF小説で、不老化処置を受けた国民は処置後百年を以て必ず死ななければならないという"百年法"が成立し、最初の百年目が訪れようとする中で、一般市民・官僚・政治家・テロリストなどあらゆる立場から日本の姿を描いた作品。壮大な世界観やSF小説が好きな方は、一度は読んでみてほしい。

1Q84 BOOK1〜BOOK3:村上春樹

昨年2度読み返した本。
10歳の頃に出会った2人の主人公、天吾と青豆が時を経て、1984年4月2人は個別にそれまでの世界と微妙に異なる1Q84年の世界に入り込んで2人が出会うまでの物語。ファンタジー、SFチックな作品である。世界観が壮大でとても好きだった。


さいごに

生きていく中で何かを忘れていくことは、人間としていろんな情報を処理していく過程で必要な脳の機能だと思っている。

それでも自分を形成してきた核となるような事柄や
心揺さぶられた作品・人・情景などは、
当時の思いと記憶をそのまま心に留めて、

時に振り返って懐かしくなりたいと思ったので
このようなnoteを書いてみた。

今後も、素敵な作者や本当の出会いを積み重ねていきたい。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?