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すれ違っても、すれ違わなくても

庭をリセットすると決めたとき、気掛かりだったのは義母と実父のことでした。

庭を作り始めた当初、義母は畑を、実父は敷石や植栽に協力してくれました。

リセットすることをどう伝えよう…。

“きれい”の価値観はそれぞれ。

わたしは雑草と呼ばれる草を排除せず、共生する世界を思い描いています。

だけど社会全体のイメージとして定着している価値観は、雑草は抜き、除草剤や農薬、化成肥料を活用して整う土地作りをするということ。
義母も実父もその価値観をもっています。

どちらが正しいかを争っても分かり合えない…。


まずは自分と向き合います。
どんな関係性を築きたくて、何のために庭についての対話をするのか。

◉リセットすることで、協力が水の泡になってしまったと残念な気持ちにならないでほしい。

◉相談なしに勝手に決めてしまったと、残念な気持ちにならないでほしい。

協力してくれて、本当に有り難かったな。
改めて感謝の気持ちを伝えよう。
そう決めて話を切り出しました。

義母は自身が歳を重ねて、庭木の手入れが大変と感じていたようで「手入れが楽になれば、それはとってもいいね」「剪定のコツわたしも知りたいわ」と共感してくれました。

実父は「手入れを楽にするにはこれしかない」と絵を描いてくれたのですが、それは庭のほとんどをコンクリートで埋める作戦でした。

価値観の違いの大きさを改めて感じるとともに、父がどれだけ《守る》ということを大事にしてきたかを感じました。

もしかしたら…
幼い頃のわたしや、家を建てたときのわたしを絶対に守るという願いで厳しく接していたのかもしれない。
大病をした父だからこその強い願いなのかもしれないと感じて、ありがとうとお疲れさまの気持ちがわきました。

お互いの価値観を大事にしながらAでもBでもない答えを出せたら最高だけど、現実はそう上手くいくことばかりではありません。

分かち合う=自分の価値観をぴったり重ねることではなく、互いの価値観を尊重し合えること。

尊重し合うとは、その価値観でもいいねって相手を受け入れられることです。

聞いてもらえただけで、伝えられただけで充分。

誰かの承認ではなく、自分で自分を承認してほしい未来へ進もうと思います。


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