聴いて、笑って、呑んでみた。
なんだかんだおうち時間を楽しんでいる毎日。
でもやっぱり人に会いたいね。
大好きな人たちと同じ空間で笑って、お話しできる日が待ち遠しいです。
さてさて、今日はノートリレーの日です。
と、その前に。
ノートリレーについて書かなければならない!
前に少し紹介した人なんだけど、高校時代のマイベストフレンドである
Michaelとお互いにお題を出し合いながらnoteを書いていこう!というものがnoteリレーです。
実は前回の投稿から始めていたんだけど、説明が前後してしまった。
ちなみに彼女の書く投稿はブログ含め新鮮でオモシロいものが多いのでぜひ見てみてね!(唐突な宣伝)
そんな彼女から「酒」というお題をもらったのですが、書けるほどお酒飲んでない…という致命的な問題に直面しました。
あーあ酒飲みになっとくんだった!!
なので今回はお酒の場について日記感覚で書いていこうと思う。
予想していたのと違ったらごめんMichael…!
*
3月上旬、雨上がり、19時前。
高校の友だちと初めてジャズBarに行った日。
きっかけは私の学生生活でやりたいことリストの1つである「Barに行く」の項目。
それを彼女に言ったら奇跡的に予定が合い、今日という日を迎えられた。感謝。
就活終わりで来た彼女は全身リクルートスーツで、私はBarに行くからとちょっと大人っぽい服装で、お互い慣れない服装で慣れない未知の空間へと向かう。
「Barってやっぱ高いじゃん?ちょっと小腹満たしてから行こ」
という彼女の提案で急遽駅チカのマックでビッグマックを食べる。
全然小腹程度じゃないことには目をつぶって。
まあ話すことはもっぱら就活関連のこと。
高校時代はお互いくだらないことばかりで、まさか将来のことを語り合う日が来るとはね。
でもなんだかこの場面だけ切り取ったら、
お互い大人になったな、と「就活めんどくさいよね~」なんて言いながらも、語れることにちょっとだけうれしい自分もいたのはここだけの秘密。
19時半。
語りすぎた。Bar閉まっちゃうよ!ってあたふたしながらマックを後にする。
駅から10分ほどで着いた。
大通りを前にした建物の地下にひっそりとそれはあった。
2人でドキドキしながら、重くて大きい木の扉をゆっくり開ける。
カランっと軽い鈴の音が鳴る。
入ってすぐにピアノと小さなステージがあった。
それを前に奥に長い空間が広がっている。四次元ポケットみたい。
ほどよい暗さ、赤茶色、センスのいいジャズ音楽が流れている。
壁には1800年代辺りの外国の写真とたくさんのワイングラスとワインボトル。
マスターらしき人がグラスを磨いている。
お客さんは…え、2人?
Barってこんなに人少ないっけ…?
いや、もしかしたら会員制だったのか…?
と、明らかに場違い感が否めなくて急に恥ずかしくなって、ドキドキしていたらどうぞって優しく声かけてくれたマスター。助かった。
一番奥のソファ側の席を選び、横並びで姿勢よく座る私たち。
席に着いたらマスターがすぐにメニューとこのBarの仕組みを教えてくれた。
今日は雨だったから人が少ないらしい。なるほどね。
迷いに迷って、果実感の強そうなジンジャーハイ2つと、彼女曰くBarと言えばミックスナッツとビーフジャーキーらしいのでそれらを頼む。マスターは微笑んで、奥の厨房へと消えた。
頼み終わったらなんだか力尽きちゃって、二人とも顔を見合わせる。
こういう緊張が空回る(?)とニヤニヤしない?
もれなく私たちは、はたから見たらもう酒入ってんのかって思われるレベルでニヤニヤしてた。
しばらくしたらさっきお客さんだと思っていた人の1人が舞台に上がり始めた。
いや、ピアニストだったんかい!
軽く挨拶をして椅子に座る。楽譜を開く。
その姿がさっきまで談笑していた人には見えなくて、急にスイッチ入った舞台役者を見ている感覚になった。プロってすごい。
弾き始めて30分ほど経った頃、カランと鳴る。
50~60代くらいの上品な夫妻らしき人たちが入ってきた。
マスターと親しげに話しているからきっと常連さんなのかも。
私たちの前に座って仲良く談笑しながら、ピスタチオを片手にお酒を飲んでいる。
いいなあ、将来ああいう夫婦になりたい。
1時間ちょっとで演奏は終わった。素晴らしかった。
でも拍手がまばらなのがちょっと悲しい。
と、思ったら目の前の夫妻がアンコールの曲を注文した。
どうなるのかとそわそわして見ていたら、
そのピアニストの彼は驚きつつも自然とまた椅子に座りなおす。
これがBarなのか…と予想もしなかった展開にまたニヤニヤしちゃう。
アンコールは最高だった。
でももっと最高だったのが、その時のBarの空間。
1人でお酒片手に椅子に寄りかかり目をつぶって、味わいながら演奏を聞いている男性。
談笑しつつ ''音''を楽しんで酔いしれている仲良し夫妻。
そしてバーカウンターでレコードを整理しつつ、彼らを楽しそうに見守っているマスター。
きっと、この空間を味わえるのがBarの醍醐味なんだと思った。
アンコールが終わってからの拍手はさっきよりもはっきりと聞こえた。
そろそろ行こうか、と立ち上がった時。驚くことが起きた。
なんとピアニストの彼が私たちに話しかけてくれた。
私は完全に役者面会の気分になっていたから、ひたすら演奏の感想を伝えた。
こういう時に相手と壁を作ってしまう自分が好きじゃない。
せっかくのお酒の場、しかもBar。
もっとくだけた感じで話したいのに。
だからちょっと攻めてみた。
彼のもっとプライベートなこと、いつからピアノを始めたのか、どんな曲が好きなのか、普段どんなことをされているのか。
彼の様子をうかがいながら聞いてみる。
意外とあっけらかんに全て話してくれた。
なーんだ、簡単なことだったじゃない。
ちょっとの勇気で、この場でこのお酒を片手にこの演奏を聞けたこと。
それらをもっと楽しく生かすことができて、
少しだけ大人になれた気がした。
「またぜひ来てくださいね。いつでもお待ちしています。」
帰りにマスターが扉を開けながら、こっそり私たちに声をかけてくれた。
ちょっぴり、ここの常連さんの仲間入りができた気分になれた。
*
この日をきっかけに、
私はお酒の場がもっと好きになりました。
特にBarみたいに落ち着いてゆっくりとお酒をたしなめる場を。
どんな素敵な人たちと出会えるかわからない、一種のギャンブルのようなBarの魅力はなかなかに危険だけど、行く価値はかなりあると思います。
大人になるって、全然わかんない。
でもお酒を楽しく飲める人が大人であり、
世の中には素敵な大人がたくさんいることをこのジャズBarでわかりました。
この前オンライン飲み会なるものをやった。
缶チューハイ片手に友だちとスマホ越しに話すのは新鮮で楽しい。
でもやっぱり私はあのジャズBarを求めちゃいます。
このご時世。
どうか、あのジャズBarが閉業してないことを心から祈っています。
だって次行くときは常連さんぶって鈴を鳴らしたいからね!
p.s. みかえるへ
遅くなってごめんね!お題「肉」
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