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「脱うつ」を目指して

こんにちは。最近は鬱病の調子が安定していて、気分の上下の波がだいぶ小さくなりました。現在は減薬の最中ですが、昨年あたりからだんだん感じてきたことをまとめてみます。

一番酷かった頃からの脱却

鬱病の真っただ中にいた頃は、減薬なんて考えられませんでした。
ずっとずっと、「こんなに現状が苦しいのだから、減薬なんて考えられない=減薬・断薬した未来を思い描けない」と思っていました。
確かに苦しかったですし、リストカットも止めたくても止められなかったです。切らないと今度は自殺しそうになるし、その衝動を逃がすためにひたすら切っていたようなものでしたし……。
だから、その頃の私にとっては、未来のことなんてどうでもよかったですし、別に鬱病から脱却しようだなんて全く思っていませんでした。むしろそのまま死んでしまってもいい、死ねるなら死にたいという希死念慮が、頭にこびりついて離れませんでした。

鬱病の症状の一つでもあると思うのですが、そういう酷い思い込み(明るい方向に考えようとしない、考えたくない、未来に怯える、といった症状)はしばらく消えませんでした。

何年か経過して、服用しながら続けていた仕事も落ち着きを見せてきて、やっと鬱・家族・仕事の3つと共生していくことに慣れてきてから、ちょっとずつ考え方が緩和されてきた気がします。

だんだんと「底辺期」と「普通の期間」の揺れ幅が小さくなり、底辺期がそこまで長く続かなかったりと、症状の改善が見られてきてから、なんとなく「薬をやめる未来を思い描いてもいいのかもしれない」と、自分で自分を縛っていた思考を解きほぐすことができるようになりました。

出会いときっかけ

そんな時に出会ったのが、とあるフォロワーさんでした。
私は配信アプリ「REALITY」で、色んな人の配信を聴きに行っているのですが、同じ鬱病で、「断薬して楽になった」というフォロワーさんからの話を聞きました。

配信アプリ「REALITY」での私のプロフィール画像。
3Dのアバターを作成可能。カメラに反応してアバターが動いて可愛い。

とはいえ、最初はなかなか受け入れられませんでした。でもだんだんと心に余裕が出てきていたので、その方が言うように、断薬のメリットに気持ちが傾いていったのでした。

また、それとは別の機会に、私の高校時代の恩師とメールでやりとりしたことがきっかけで、Zoomで対面して話す機会がありました。驚くことに、その恩師からも、減薬・断薬を勧められたのです。

卒業後、定期的に年賀状などのやりとりをしていたのですが、鬱病になってからは、なかなか近況を知らせる余裕もなくなっていて、そのままになっていました。でも鬱病が軽くなってきて、またコロナ禍でZoomやGoogle Meetを使ったオンラインでの会話が一般的になってきていたのもあり、実現したものでした。

2回ほどオンラインでお話ししましたが、初回はちょうど勤務校が繁忙期に入っていて鬱病の調子があまりよくなかった時期(11月ごろだったと思います)でした。その時に、減薬・断薬の話が出てきて、あまり余裕がなかった私は、その場では前向きに考えることはできませんでした。
でもその半年後くらいに2度目のZoomで再度お話しした時は、減薬・断薬のことを前向きに考えられるようになっていて、そのことを深く話をすることができました。

今どうなっているかと言うと……

少しずつ薬を減らし始めて約1年が経過して、今現在、ようやく思考の膠着・固執化に気づくことができています。

現状では、今は抗不安薬を1錠(1日3回服用でした)と、睡眠導入剤を無くすことができています。あれほど眠れなかったのに、いつの間にか導入剤なしでも眠れるようになり、抗不安薬も、セニランとロラゼパムというものを2種類飲んでいたのに、ロラゼパムだけで済むようになりました。減薬できている今、「減らす」という選択をすることができてよかったと思っています。

REALITYのフォロワーさんの時も、恩師との最初のオンラインの時にも、どうしてそんなに薬をやめさせたがっているのか不思議でした。

薬をやめるなんて考えられなかったし、もっと言えば、薬をやめたくありませんでした。

薬をやめてしまうと、鬱病だった私がいなくなってしまう。
消えないリストカットの痕が思い出させてくれる、一番つらかったあの頃の私がいなくなってしまう。
今、生きているのは、あの頃があったからこそ。だから鬱病から抜け出したくない。「抜け出してはいけない」ものだった。私は楽をしてはいけない、解放されてはいけない。

そう考えていました。
でも違ったんですよね。
薬をやめてしまうと、あの頃の私を見捨てることになるとずっと思っていました。でもそうじゃなかった。

リストカットで苦しかった私も、それを乗り越えて生きている私も、そして断薬が成功して薬に頼らず生きるであろう未来の私も、全部「私」なんですよね。

考え方の固着というか、「未来を楽観視できない」という思考から抜け出せないままだったのに、そこが緩んでくれています。そのおかげで、自分で自分を縛っていた段階から抜け出せている気がします。

リストカットの痕は消えずに今も残っているけど、踏ん張って生きられたから、入院を経てこうしてここに私がいられる。未来を考えてもいいんだよ、と、そう自分に言えるようになったのも、減薬のおかげなんだと思います。

減薬・断薬を考えたくない、という気持ちの方は、きっと私以外にもたくさんいらっしゃるんだと思います。
今、苦しんでいる人たちだけでなく、色んな人に届いてくれれば幸いです。

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