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そのカジュアル面談、本当に意味ありますか?

ちょっと過激なタイトルにしてしまいましたが、今日は少しでも上手なカジュアル面談ができるようになり、エージェント採用への依存からの脱却に一歩近づいて頂けたらと思い、そんな話をしたいと思います。

昨今多くの企業がカジュアル面談を行うようになってきたのではないでしょうか。これは、いきなり選考に進んでもらうのが日に日に難しくなっている証拠です。特にエンジニア採用においては顕著です。

エージェントの立場として働いていて思うのは、カジュアル面談と言うのはある意味でエージェントが行う面談にすごく近いものではないかと思っています。
エージェントが面談をする際、候補者をあからさまにジャッジするわけではなく、むしろその方の強みを引き出しながら、その方の望むことや悩み、ペインをまずは理解することに重きを置いています。そしてもう一つ大事なのは、ヒアリングの内容に合わせてその候補者に合った会社やポジションを紹介し、応募までつなげることです。
これはまさしく企業のカジュアル面談でやるべきことなんじゃないかと、個人的には思っています。

候補者をジャッジしてはいけない=候補者についてあれこれ聞いてはいけない、ではない

よく企業さんのカジュアル面談に同席すると、候補者の方が何を欲しているのか、どういう悩み、ペインを持っているのか、あまり聞かないケースが見受けられます。
あまりにも候補者の話を聞いてはいけないんじゃないかと言う心配があるようです。

確かにカジュアル面談は選考ではありません。候補者をジャッジをすることはできるだけ避ける方が良いかと思います。
ただそれが、本人の意向を聞いてはいけないと言うことでは決してありません。むしろ本人の意向を聞いて、それに合わせて話す内容変えるといったテクニック=(いわゆる)営業力が、カジュアル面談から面接につなげる大きなポイントになると思います。

カジュアル面談の順序?

ここで私が普段やっているカジュアル面談の順序についてお話をさせていただきたいと思います。

①アイスブレイクはあった方が絶対良い

ここで質問です。
カジュアル面談のスタート、どうやってやっていますか?

参加のお礼を伝えて、簡単な自己紹介をして、今日の流れを説明して、、

こんな感じじゃないでしょうか?

昨今の状況を考えると、その方と初めて会うのは、おそらくスクリーン越しではないでしょうか。
対面で会っていれば、今日はどこからいらっしゃったんですか?とか、だんだん寒くなってきましたね、とか、きっと話すんじゃないかなと思います。
まず私がやって頂きたいのは、その方と何でもいいので普通に話すことです。これをやっていない会社さんは実は多いと実感していますが、その方とまず信頼関係や話しやすい雰囲気を作るために、アイスブレイクは非常に大事だと思っています。
仮に人事のカジュアル面談ではやっていたとしても、エンジニアが出るカジュアル面談はどうでしょうか?最初にアイスブレイクをするように、エンジニアにはマニュアルを渡していますか?きっとそれができている会社さんは正直少ないのではないかと感じています。

②会社の説明に入っても良いが、本当はその前に候補者について聞きたい

さてアイスブレイクもしたし、次は会社説明しよう、と思われる方もいるかもしれません。
確かに候補者も、会社の説明を聞きに来ていますので、先に自分のことをあれこれ聞かれるよりかは会社について説明をしてほしいと思う人もいるかもしれません。
ただここで気をつけて頂きたいのは、まだ候補者のことを何も知らない状態で会社のことを話しても、その内容がその方に刺さるかどうか全くわからないと言うことです。
分からない状態から話をしないといけないので、どこを強調すべきなのかどこ言わないべきなのか(隠すとか悪い意味ではなく)、そういったところが何もわかりません。
なので私のオススメとしては、できれば会社説明からではなく、候補者についてのヒアリングを先に持ってきた方が順序としては良いと思っています。
伝え方としては「本当にあなたがこの会社にマッチするかを事前にきちんと考えた上で、会社のこともしっかりお伝えしたい。最初に少しあなたの話を聞かせてもらってもいいか?」と言う風に聞いてみるのが良いかと思います。これで嫌な顔をする方には未だ会ったことがありません。

もちろんこの時に、面接で聞くような内容、例えばこれまでの経験の深掘りや、どんなスキルがあるか等を聞いてしまうのはNGです。それは面接で聞くべきことで、カジュアル面談で聞くべきことではありません。
なので経験を確認すると言うよりかは、その方の志向性や、今回どうして話を聞きに来ようと思ってくれたのか(志望動機ではないので注意)、その辺のことをしっかりと聞くべきです。
あなたがキャリアアドバイザーになったつもりで、候補者のキャリアについて真剣に一緒に考えてあげると言う姿勢を見せてあげることが非常に重要になってきます。

では、具体的にどうやって聞けばいいのかと言うと、現在の候補者の状況についてざっくりと把握することが1番にやるべきことだと思います。現在新しいお仕事に対してどういうモチベーションなのか、今積極的に転職活動しているような状況なのか、それとも良いところがあれば聞こうと思っているような状況なのか、その辺りをまず理解することがファーストステップです。
次に聞きたいのはその理由です。カジュアル面談に参加してくれている時点で、良いところがあれば話を聞いてみたいと思っている可能性が高いです。ではそう思った背景やきっかけは何なのか、そこをまず理解することが次のステップです。可能であればできるだけいろいろな視点から深掘りができると良いでしょう。例えば、今の会社の仕事内容に不満を持っているのか、それたも働く環境なのか、それとも一緒に働く人なのか、それとも待遇面なのか、、、
こういったいろいろな側面からいくつかの質問を投げかけてみることが、全体像を理解する上で非常に重要になってきます。
そしてその現在の不満であったり、少し気になっているところを、今後どういう風に解決をしていくつもりなのか、今後何を軸に仕事や会社を選びたいと思っているのか、その辺りを次にヒアリングするといいと思います。

そしてこれは少し応用的になってしまうかもしれませんが、その候補者の今後のキャリアの方向性も聞けると良いです。
例えばエンジニアの候補者に対し、人事の方がキャリアについてアドバイスをするのは難しいと言うふうに感じられる方も多いかもしれません。ただやはりカジュアル面談を担当する以上、その人が入社した後どんなキャリアパスが待っているのか、大枠でも知っておくことは必要だと思います。エンジニアで言うと、最低限聞いて欲しいのは
・技術に強みを持ったエンジニアになりたいのか
・良いプロダクトを作れるようなエンジニアになりたいのか
・組織をマネジメントするエンジニアになりたいのか
大きく分けるとこの3つの方向性に分けられますので、どこが本人の中で1番やりたいことなのか、明確にしておくと、次の会社説明、求人内容の説明の時に非常に役に立ちます。

③そしてついに会社と求人の説明

ここまでくればほとんどクリアしたようなものです。この後会社や求人の説明をすると思いますが、これは先ほど聞いた候補者の志向性であったり、現在の悩みに対して強調するところを考えて説明すればOKです。
とはいえ、会社の魅力であったり、その求人の魅力をしっかり理解していないと、きちんと訴求ができません。なのでどういった志向性の候補者に対してもアピールできるネタをしっかり持っておかないといけないですし、これを事前に整理しておくことが非常に重要になってきます。整理して言語化さえしていれば、たとえ覚えてなくてもそれを見せることだって可能です。
会社の魅力はどうしても目に見えるところだけで考えてしまいがちです。(例えば事業の内容であったりとか、資金調達の金額であったり)
ただこれは色々な会社さんを見て思うのですが、本来魅力と言うのはなかなか言語化できてないところにあると考えています。例えばそれは一緒に働く人であったりとか、組織のカルチャーであったり、また事業の今後の方向性今現場が抱えてい課題などです。これらも非常に大きな魅力になります。ただこういったものはしっかりと言語化をしないと、そもそも魅力になりません。ここは社内でしっかり魅力として整理し、それをドキュメント化することが必要です。

結果どうなる?

実際にこれができれば、カジュアル面談から選考に進む割合は上がると思います。
ただそもそも、カジュアル面談から選考に進んだ人の割合はしっかりと可視化できていますか?進んでいない人の共通点、進んでいない要因は分析できていますか?

今回改めてカジュアル面談の内容をもう一度考え直すきっかけになったら幸いです。
そしてカジュアル面談から選考へ移行する割合が上がったのか、しっかり可視化してどこに問題があるかをしっかり考えながら、日々PDCAを回していくことができれば、エージェントから脱却できる採用力を持った会社になれるのではないでしょうか。

もしカジュアル面談に同席させて頂いてよければ、ぜひ同席させて下さい。
色々なアイデアや改善点についてお伝えできればと思います。(お金は頂きません)
もしご興味がありましたら、ぜひこちらのフォームまでお願いします!


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