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詩 (乱伐)

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聞こえないビートにのって 言葉が巡り続けています
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2022年1月の記事一覧

平原

水面に映る焼け落ちた自分の顔は、大嫌いだったおじいちゃんにそっくりだった。全部溶け落ちてしまいそうな爛れた皮膚がどうしても我慢出来なくて、水で擦る。擦る。我を忘れて顔を水で擦り続けて、
やがて青空が赤黒くなった。
煤で黒く汚れたコンクリートの建物々の影から視線を感じる。背筋の震えと共に心拍数が上がる。だってもうこの焼け野原には、誰一人だって生き残ってるハズがないのだから。

乱伐の追加部品A

こんな時にぶしつけですが
少しお目汚しを失礼します

あの日から随分と時は経ってしまいまして
もう君は何も覚えてないかもしれないけれど
やっぱり少し希望を抱いてしまって
この乾いた街の屍をまた独り彷徨って
生暖かい空気に身を任せて
深く呼吸をして地面を踏みしめて立っています

いつか哀しみが夜空を翔けるけれど
静かな暮らしをまた望むけれど
終わりのない木々の箱庭の
何処にも居場所は無いけれど
君と

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