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妊娠してから気づいたこと。人生には “Chapter 0” があった

今2歳9ヶ月の娘がいる私ですが、娘の妊娠中の「気づき」を以前のエキサイトブログに綴ったものを、noteにもう一度記しておこうと思います。これは2019年7月に書いたものです。

現在、妊娠10ヶ月。もういつ産まれてもおかしくないくらいの、大きくて元気な赤ちゃん(ひとりめ)がお腹の中でモニョモニョする日々。もう少しで、文章なんか書いてる暇もないくらいの賑やかな日々に突入するはずなので、今のうちに妊娠中の大切な気づきを書いておこうと思います。

たぶん比較的「よく動く子」だと思うのですが、赤ちゃんは毎日んーっと背伸びしたり、お尻を押しつけたり、壁を蹴ったりさわったり、たまに逆子になったり。お腹の中からあらゆる方法を通して私に気持ちを伝えてくれるので、私は赤ちゃんが機嫌がいい・悪い等の気持ちを、だんだんなんとなくわかるようになってきました。


胎児にも、立派に「自我」がある

驚いたことに、お腹にいる赤ちゃんでもすでに性格があり、個性があり、感情と意志があり、それなりの悩みやストレスもあるようです。お母さんのストレスや精神状態がお腹の子に伝わっちゃうよー、という類の話はよく聞くのですが、むしろその逆で、「赤ちゃんの幸せや悩みがお母さんに届いて、お母さんの情緒に影響する」というのが正しいんじゃないか、と今では思っています。

赤ちゃんにはお腹の中にいた頃の記憶(胎内記憶)がある、という研究もあります。2〜3歳の子供の30%がお腹の中にいた頃を覚えているとか、それでも成長するにつれて忘れちゃう子が大半だとか、諸説あるようですが、そもそも「覚えているかどうか」が重要なのではなく、「その時期から人間には自我があり、感情がある」という事実は、私はほんとうなんじゃないかと信じています。たとえ忘れることになっても、胎児の「今の気持ち」を大事にしてあげたい。10ヶ月の妊娠生活を経てそんな風に思うようになりました。


「母親のお腹の中から生まれた経験」のない人は一人もいない

そして、気づいたこと。「出産」って、人間が ‘全員’ 経験しているんだ。

子供を産んだことがない人はたくさんいても、「生まれたことがない人」は一人もいないんです。世界中で一人も!

「妊娠・出産」というと、女性だけの話で男性は関係ないと思われがちだったり、適齢期の夫婦にだけ関心のあるジャンルだったり、というイメージがありました。確かに、「妊娠して、出産する」という経験自体は全ての人間がするものではありません。でも、「お腹の中から、生まれる」という経験は、世界中の老若男女全ての人間がしている。帝王切開でも体外受精だとしても一緒です。これは私の中ですごい気づきでした。


お腹にいる間も、人生の「第0章」を生きている

「生まれる」というのは人間にとって人生最初の重大イベントでありただの「通過点」。つまり、戸籍上で「誕生日」とされる日付より10ヶ月も前から、実は我々の人生は始まっていたということになります。私たちは、人生でいくつかのChapter(チャプター)を迎えてきたけど、お腹にいる期間って、覚えていないだけで人生の第0章(Chapter 0)を立派に生きていたんじゃないでしょうか。たとえば私の場合は1984年2月生まれだけど、1983年の初夏くらいから、すでにChapter0は始まってたんです。

Chapter0では、栄養も自動的にもらえるし、呼吸もしなくていいし、まだまだ動物の本能的な部分が働く時期ですから、きっと人生で一番ゆたかで、純粋で、幸せな期間だったんだと思います。生まれてからは、はっきり言って苦難の連続です。オムツがむれて気持ち悪いだの、お腹が空いただの、「不快」の感情をギャン泣きして訴えないといけないし、初めての幼稚園が不安だったり、友達より勉強ができなかったり、恋人に振られただの、自分のやりたいことが見つからないだの、責任感に押しつぶされそうだの、あらゆる「うまくいかないこと」に直面してはその都度悩まないといけませんから。それでも、私たちはお外に出てくる(生まれる)ことを自分で選んできたんです。

人間の Chapter0は、種が地上に芽を出す前に、土の中で根を張っている大切な準備期間みたいなもの。今まさに、Chapter0を一生懸命生きているお腹の中の赤ちゃんにそれを教えてもらって、自分のChapter0に思いを馳せるきっかけになりました。

そのピカピカな時期があったことを、覚えてはいなくても、忘れてはいけない気がします。

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