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ビギナーによる未経験者むけ水害ボランティア活動情報①

 かつてない規模での水害を引き起こした台風19号。
お悔やみとお見舞いを申し上げます。
 私の暮らしている岩手県釜石市でも道路が崩落し集落が孤立したり、数百とみられる規模の床上浸水が起きています。

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(釜石市の半島部で2019年10月15日に撮影)

 首都圏や首都圏から近いところでの被害も多いので、当面の週末はボランティアに行こうと考えている方も多いのではないでしょうか。SNSを見ると「ボランティアに行きたいけど、力がないので」「かえって迷惑を掛けそうだから行けない」という声も散見されます。私自身も、2011年4月に初めて災害ボランティアに参加した際は同じように迷った経験があり、その後、「まごころネット関西同窓会」の仲間たちと、参加を検討している人・迷っている方向けに自分たちの体験を共有する場などをつくってきました。そんな経験から、いま迷っている人(おもに女性)にむけて、災害ボラ(今回は水害)に何度か参加したビギナーによる未経験者むけに情報をまとめたいと思います。

◆「どこで活動するか」 ~情報を集める
 お住まいの地域が被災した方はまずその地域でボランティアを募集しているかどうかをご確認ください。
こちらの全国のボラセンの情報一覧 から確認できます。
もしお住まいの自治体で募集していない場合は、今回のような広大な被害の場合は自宅から短時間で行けるところに参加するのが良いかと思います。どんな災害でも被害が大きく報道されやすいところにボランティアは集まりがちですが、その周辺や遠くても困っている人はいます。特に今回は人口の多い首都圏から遠い地域はどこも「きっとボランティアは来ない」と危機感を抱いています。(岩手県内の方、東北にお住まいの方はぜえひ、東北の被災地域で活動してください)

◆事前にやること
 まずは保険加入です。知人友人のつながりで活動する場合も含めて、加入をおすすめします。災害ボラ方面では「なぜボランティア保険は社協(社会福祉協議会)に行かないと入れないのだ!」との声をよく聞きましたが、今回、全国のボラセンを通じて活動する場合はネットで事前に加入することができるようになったそうです。土日活動する場合は、ボラセンはとても混む場合もあるので必ず事前に加入しましょう。
 また、後述もしますが、駐車場の有無についてもサイト等で確認し、もし大人数(5人以上がめやす)の団体で参加する場合は前日までに連絡しましょう。

 続いて、必要なものを準備しましょう。

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(出典:震災がつなぐ全国ネットワークのサイト
〇一般的な持ち物(必須のことが多いもの)
・長靴(踏抜き防止インソール推奨)
・ゴム手袋(泥だらけのものを掴むので、軍手よりも厚めのゴム手袋が作業しやすい)
・マスク
・昼食
・水分
・タオル
・着替え
〇あると便利だったり喜ばれるもの
・ヘッドライト(停電している地域での作業や家屋の軒下などに入る時)
・ゴーグル
・ヘルメット
・ウエットティッシュ(断水している地域は特に)
・スコップ
・ネコグルマ(一輪車)
・土嚢袋
・ビニール袋
・釘抜用バール
(これらは購入推奨ではなく家にあればという程度)
各地域で異なる部分もあると思いますので、参加前には必ず募集している団体の情報をご確認ください。ゴーグル、ヘルメットは必須というところもあるかも
こちらのレスキューストックヤードのサイト が詳しいのでご一読を。

◆ボランティアセンターへ行く
(一般的と思われるボランティアセンターを通じて参加した場合)
 私はこれまで、遠野まごころネット、社協のボランティアセンター(岩泉)、被災した知人または被災者の知り合いの紹介、という3つのルートで参加したことがありますが、ここではボラセンについて書きます。

 ボラセンは市役所(役場)、公共施設、駅横など様々な立地のところに開設されます。公共交通が通っていれば公共交通で行く場合もありますし、車でしか行かれないような場合もあります。いずれにしろ多くの場合、被災現場までボラ参加者の自家用車で行くというケースは少なく、ボラセン付近に駐車し、そこからは社協の車などで活動場所ごとにまとめて輸送されます。
荷物等はすべて自分で管理することになりますので、車ではなく公共交通の場合、最小限にまとめたほうがよいです。大なり小なり汚れます。また、車で行く場合もなるべく乗り合わせるなどして車の数は最小限にすることが推奨されています。
 ちなみに東日本大震災の時に活動した団体は岩手県の遠野市が拠点だったので、そこから大型バスで1時間近く掛けて陸前高田市の活動場所に輸送されました。現地でボラセンが開設する余裕がない場合は、こういった後方支援の拠点から輸送することになります。

◆ボランティア登録をする
 到着したらまずは登録。氏名、住所等を記入します。
それをもとに、ボランティアセンターが前日までに寄せられた「うちの作業を手伝ってほしい」というニーズとボランティアをマッチングします。団体の場合はなるべくその団体を一か所にまとめてくれると思いますので、事前に連絡をすることをおすすめします。

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(2019年10月14日の釜石市災害ボランティアセンター/宮崎さん提供)
 ひとつお願いがあります。2011年4月のボランティア拠点にはゴールデンウィークの始まりかけで全国から多くの人が殺到し、まだスムーズに運営できていない事務局はパンク状態。登録にけっこう長い時間待たされその状況に怒り出す人も出て、ちょっとした緊張状態だったことを今も思い出します。
 でも冷静になると、そこのスタッフももしかしたら被災した方かもしれないし、自分と同じようにボランティアで運営を補助している不慣れな人かもしれません。 東日本大震災の復興支援でボランティアの受入れを担当して精神的ストレスで辞めた方や病気がちになった人もいます。
 今回も週末には一気に人が集まる地域もあるかもしれませんが、「まだ体制ができていないんだな」「この人たちがいるから活動できるんだな」と思う心の余裕を持ってください。

続きはこちらhttps://note.mu/sayakatezuka/n/n915118e9c5f5?creator_urlname=sayakatezuka

<加筆修正履歴>
・2019.10.19 装備情報など一部加筆

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