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「好かれたい」「嫌われたくない」

新世代の方たちと関わらせて頂くと
今までの新入社員との違いを
感じることが多々ある。

その中の一つに

人に「好かれたい」という
気持ちよりも
「嫌われたくない」という
気持ちが強い

と感じる。

「好かれたい」と「嫌われたくない」の
言葉は似ているように
感じるかもしれますが

とても大きな“開き”の在る言葉です。
本当は、意味合いのとても違う表現です。

好かれたいは、
相手に思われたい気持ち。

嫌われたくないは、
相手に思われたくない気持ち。

好かれたい気持ちは、
行動もポジティブになると思います。

「嫌われたくない」と思っているから
嫌われないように考え
本当の自分の気持ちを言わず
相手に「嫌われないような行動」を取ります。

嫌われたくないので
人より目立たないように
印象に残らないように
他の人と同じであるように
ふるまいます。

自分が正しいと思うことより
相手が正しいと
思っているであろうことを
探したり、考える思考に
なりがちだと思います。

好かれたいのではなく
「嫌われたくない」
だから嘘をついてしまうことがある。

やれないことを「やれます」と言ったり。
やったことを隠したり。
ミスしたことを言えなかったり。


ある会社で
こんなことがありました。

携帯電話を仕事中に使用することを
何度注意してもやめられない社員
“Aさん”について

Aさんが出勤したら
「先輩がAさんの携帯を預かる」という
約束・ルールになりました。

先輩は、Aさんから預かった携帯を
自分のロッカーに入れ
鍵をかけ、Aさんの昼休みと
Aさんが帰る時に返却するということを
決まりとし、Aさん自身も
「携帯をさわることが
やめられないので預けます」

Aさんも納得の上で始まった
「出社したら携帯を預けるというルール」

数日が経過した際に
先輩は、残業をしていて

Aさんが帰社してから
携帯を返し忘れた事に気づき
「どうしよう?」と思っていたら

先輩と同世代の社員に
「さっきAさんの携帯で話したよ。
Aさん、携帯は持っていたと思うよ。
聞きたいことあって…話したよ」

「えっ?携帯ここにあるのに・・・」

翌日、Aさんに事情を聴いたら
今まで預けていた携帯は
昔の携帯で、今は使っていないもの。

ルールが決まったら翌日から
古い携帯を先輩に預け
自分の携帯は持っていたと・・・。

これは、叱っていいケースですか??

先輩は、あきれてしまい
どうやって指導したらいいのかも
わからなくなってしまって
途方に暮れてしまう。

Aさんは納得していたように見えた。
でも、本当は、先輩に携帯を
預けたくなかったんだと思う。

Aさんは先輩に嫌われたくなかったから
先輩の望むカタチをとったけれど
本当は、自分の気持ちが言えず
嫌われない言葉と

「携帯をさわることが
やめられないので預けます」


嫌われない行動をとった。

先輩は、こちらの言うことを
理解してくれたんだと期待し
指導しているつもりだったのに
とても裏切られた気持ちになった。

こんなことが現場で起こると
先輩が疲弊する。

自分の指導力の無さを感じてしまったり
相手に嘘をつかれたことで傷つく。

でも、そこは、深く考えるところではなく
なぜ、嘘をつかせてしまったのか?

ここを考える必要があると思う。

嫌われたくないから
本当は、できないことを「やれます」と
結果的に「うそ」をついてしまった。

「うそ」をつかせてしまった。

できないことを できないと言っても
嫌わない、嫌われないということが
Aさんの心にきちんと浸透していたら
信頼関係ができていたら
嘘をつかなくても良かったかもしれない。

何があっても嫌わない。
何を伝えてくれても嫌いにはならない。

条件肯定の愛情ではなく
無条件肯定の愛情で包み

信頼関係を創っていくことで
お互いに問題ではないことを
問題にしなくても良い環境も
作れるようになると思う。

嫌いにはならないことを
言動と行動で伝えて欲しい。

安心して自分らしく
働けるようになるまで
「期待」ではなく「信頼」し
待ってほしいと思う。

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