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【1989年100日旅】39日目。モスクワ

1989年5月14日、旅は39日目。妹の友達と、そのお父さんとピカピカの黒い車でお出かけ。当時のモスクワでは、ピカピカのきれいな車は珍しかった。行き先は、動物ルイノック(市場)。止まり木には極彩色の鸚鵡、籠にはふわふわのモルモット。じっと動かないフクロウ。小さな子猫や子犬が鼻にかかった声で鳴く。様々な動物がいる市場だった。

動物市場には本当に何でもいて、つい最近までヒョウの赤ちゃんすら買えたそうだ。野生動物をそのまま販売するような、今考えるといろいろと問題のある場所ではある。しかし当時は、単に様々な動物を見て、動物の赤ちゃんに触れるのがうれしく、動物園のような感覚で楽しんだ。

市場へ連れて行ってくれた妹の友達はレーニン好きの9歳。レーニンに愛着をもって「レーニンたま」と呼んでキャラ化していた。ピンバッチなどを集めていたようだ。9歳の子がそうなるくらい、街のいたるところにレーニン像があり、硬貨にも顔がついいた。どんなものも見慣れると愛着がわくものだ。

その子はずっとレーニンになりきって私たちに命令を下していた。その物言いがかわいくて、街中のレーニン像のイメージを変えるほどだった。後年、ソ連が崩壊し、レーニン像が相次いで倒された時にはちょっぴり残念だった。

そんな感じの39日目。旅は残り61日。

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