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【1989年100日旅】43日目。モスクワ

1989年5月18日、43日目。学校で、急に先生が私だけに作文を書くように言う。目的を説明されたけれど想像がつかず、オレーグさんとスベータさんのダーチャに行ったことを適当に書く。「楽しかったです」で書き終える、典型的なダメな作文。書き終わった頃に、先生が規定枚数はもう一枚多かったと言い出す。何でもいいというのでものすっごい適当な、作文と一切関係ないイラストで埋める。

帰国後、文集が送られてきた。私のはないのだろうと思ったけれど、載っていた。それが、この日に適当に書いたダーチャの話と絵。クラスメートのものを見ると、修学旅行でアウシュビッツへ出かけたこと、進路のことなどシリアスなものばかり。私だけ限りなく能天気で適当で赤面。黒歴史だ。モスクワ生活もあと数日だったから、先生は急いで作文を書かせてくれたのだろうのに、せっかくの気持ちを無駄にしてしまった。

この日はモスクワ日本人学校の最後のクラブ活動の日で、バラライカ(ロシアの伝統楽器)のコードが3つ教わった。音楽は嫌いでなかったし、やることもなかったので、旅行中そのコードからロシア民謡のカチューシャの伴奏を考えた。

そんな感じの43日目。旅は残り57日。

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