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【1989年100日旅】38日目。モスクワ

1989年5月13日、旅は38日目。土曜日。放課後、父の知人のミーシャとカーチャという日本語勉強中のロシア人学生の案内で、赤の広場やクレムリンへ。ミーシャはひょうきんな男性で、カーチャは日本語が上手な優しい女性だったので、説明がよくわかり楽しく見学。

当時、うちは茶色い雑種の犬を飼っていた。犬の名前はミハイル・アレクサンドラビッチ・イワノフ(通称ミーシャ)。父がふざけて命名したもの。ミーシャに「うちの犬の名前もミーシャって言うんだよ」と言おうとして、父に慌てて止められた。「うちの犬もサヤちゃんっていうんですよ、フルネームはヤマダサヤカ」とかと外国人に言われたら、たしかにちょっと微妙かもしれない。

クレムリンは広大な宮殿で、1990年に世界遺産に登録された。様々な時代の様式で作られた宮殿と大聖堂が並ぶ。周りを囲む尖塔の先には、ソ連を表すルビー色の「クレムリンの赤い星」。カーチャが説明してくれたので、建物が時代ごとの「権力のありか」をはっきり示すものだとわかった(しかし、大人になった今、どこを見れば権力のありかがわかったのかは、忘れてしまった)。

夕食にはシャシリク(肉の串焼き)をレストランで。ミーシャとカーチャといくレストランは、いつも感じがよくておいしかった。

ちなみに、ソ連のレストランでは、水は注文しないと出てこなかったけれど、必ず出てくるのはちょっとしょっぱさを感じる炭酸水で、最初は嫌だった。フランスでよく飲まれているBADOITは、私にとってはソ連を思い出す味。

そんな感じの38日目。旅は残り62日。

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