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シリーズSDGsの今:目標⑭海の豊かさを守ろう

PRディレクターのさやです。

こんばんは,随分暖かい日が続いていますが,お元気ですか?週末は冷えるところが多そうなので,体調管理頑張りましょうね!

さて,今日はシリーズSDGsの今14回目,海の豊かさを守ろうについてです。

目標⑭海の豊かさを守ろう

海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し,持続可能な形で利用する。

ことが大きな目的です。海はまさに命の源で地球の生態系を支えている根幹ですが,その海洋が大きな危機に直面しています。課題は大きくわけて二つあります。①海洋汚染と②漁業の乱獲です。それぞれについてみていきます。

まず,①海洋汚染については,汚染水や大量のごみが海洋を汚し,海に住む生き物たちの生息地を汚しています。新型コロナウイルス以前は,海洋の酸性化により,生態系に深刻な影響が懸念されていました。2100年までに海洋酸性度が100~150%上昇し,海洋生物の半数に影響が出るという試算があるほどです。

一方,新型コロナウイルスによるロックダウンなどで,人類の経済活動が著しく低下したことで,海洋環境は一時的に改善したともいわれています。ヴェネツィアの運河がきれいになったというニュースを目にされた方も多いかもしれません。

次に,②漁業の方法についてです。今のままのペース・方法で漁業を続けていると,いずれ漁ができなくなるほど魚が減ってしまうことが危惧されています。しかし,多くの国,特に途上国においてただ漁業を制限してしまっては,生活が困窮するかもしれません。持続可能な漁業の形を探っていかなければなりません。今世界の97か国が漁業の方法についての国際的な取り組みに署名していますが,さらなる取り組みが必要です。

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世界の取り組み

東日本大震災により壊滅的な被害をうけた南三陸のカキ「南三陸戸倉っこかき」が持続可能な養殖の例としてとても注目されています。2016年、「責任ある養殖により生産された水産物」として、ASC認証を取得しました。これは海と社会に配慮した養殖業に送られる国際認証で,日本国内で初の受賞です。

持続可能な養殖に取り組み始めたきっかけは、漁師たちが、海にも限界がある、ということを知ったことからだと言います。40年ほど前からこの地域で,牡蠣養殖がおこなわれていました。昔は養殖のいかだを増やせば増やすほど牡蠣の生産量はあがったといいます。しかし、次第に牡蠣の成長が遅くなっていきました。理由は過度な養殖により,海の負荷が大きくなったことでした。漁師たちは海の限界を目の当たりにしたのです。

そんな中,東日本大震災が南三陸のまちを襲います。もちろん牡蠣の養殖業も大変な被害を受けました。養殖に使う筏や設備も流されました。しかし,海は養殖を行う前の豊かな海に戻っていました。そんな海を前に,漁師たちは,膝を突き合わせて話し合い,海に優しい養殖業をはじめようと決意したといいます。

結果的に養殖に使う筏を従来の三分の一にするなどして,生産量を減らしたのです。その結果,これまで2〜3年かかっていた出荷時間が1年に短縮できるようになりました。栄養と酸素が十分に行き渡たり、牡蠣が豊かに育つようになったのです!さらに、プランクトンの消費量を算出したり、養殖に必要な燃料の消費量を一定量に抑えるなどの共通ルールを設定していきました。

このような取り組みを経て,牡蠣も海も持続可能な養殖を確立していったのです。1つ1つの牡蠣をより丁寧に作るようになり,働き方も変わり,より家族の時間も増えたといいます。結果的に人にも優しい漁業になったのですね。

https://umisagozain.com/asc/

まとめ

今日は目標14の海の豊かさを守ろうについてまとめました。新型コロナウイルスによる人類の活動停止期間に,地球環境が一時的に改善したということは,普段の人間の活動がいかに地球に負担をかけているかを表しています。そんな中で,南三陸の牡蠣の養殖の例は,海にも優しく,海産物にも優しく,人にも優しいというまさに三方よしのようで素晴らしいなと思います。私たちも地球に住む生命体の1つとして,どうしたら環境と心地よく共存できるかという視点がとても大事なんだと思います。すこし長くなりましたが,今日もご精読いただきありがとうございました。

photo ©UN News/Elizabeth Scaffidi
The Mediterranean coast of Montenegro is becoming an ever more popular tourist destination.

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