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デザイナーが海の家開業。#2.盛り上がっていく島の商業

前2作に続いて今回は橋が開通した後の島の様子と、
若さゆえの焦りについてまとめていきたいと思います。

例によって、その前に少し店名”SEASCAPE”について。

ロゴにこめた想い。

seascapeとは(意味・読み方・使い方)
séa・scàpe
[ 主な意味 ]英会話で使う
海景画,海の絵,海の景色

お店の目の前に浮かぶのは、
頭島と同じ日生諸島の大多府島(おおたぶじま)、
その奥には香川の小豆島など、瀬戸内ならではの
島々が織りなす、文字通り”絵みたいな”海の景色を眺められます。

そして、お店のロゴとは別にもうひとつロゴがあります。
看板メニューである唐揚げとフライドポテトを入れる紙袋に使っています。
(ショップカードの裏面にも載せてます)

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このロゴは、SとAをとっている様子を表していて
残りの文字でESCAPE=逃れる、現実逃避の意味になります。
ここで過ごす時間は、島出身の人間でさえ島にいるとは思えない
まさに非日常の時間です。

SEASCAPE(シースケイプ)の名前には
ひとつは、瀬戸内の景色を楽しんで欲しいという願いと
日常の喧騒から逃れて、ゆっくりまったり、波の音でも聴きながら
非日常の時間で癒されて欲しい、というふたつの願いを込めています。

島のおじさんに、
「読めりゃせんがな!」(読めないじゃないか!)
と怒られますが、おっちゃん、ゆるしたってぇ。笑

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さて!そろそろ本題進めていきます。

橋の開通と島の交通

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2015年4月に開通した橋のおかげで
島民たちは車で本土に渡れるようになりました。
私自身も、初めて車で橋を渡った時、
まるで空から海を眺めているような景色と、橋の壮大さに
「なにこれーーーー!!凄すぎる!!!」
と、かなり興奮しました。

開通して間もない頃は本土からやってくる車で
島の交通は至る所でパニック状態に。。
側溝にタイヤを落としている車体、傷がついた車体なんかも見かけました。

ただ、橋の開通と同時に島内の道路整備計画もあった模様で
島の中の道路もアスファルトが舗装されたり、
島内で見たことなかった道路の白線が引かれたり!笑
信号はないけれどT字交差点が爆誕したりして、
幾分か通行しやすくなりました。

ちなみに、千鳥大吾さんが島の交通安全行事で
信号の渡り方を習う、という話されてましたがあれはマジです。
私もやったので、島っ子あるあるのようです。笑
他にも島話たくさんあるのでアップしたらご一読ください!

開店ラッシュとイベント開催地に選ばれた頭島


島内では
・橋を渡ってすぐのかき氷屋さん
・島出身の方が運営されるパン屋さん
・古い郵便局の局舎を改装した1日1組限定のイタリアンレストラン
・グランピングを計画中の同世代の男性2人組
など、すごい勢いで商業活動が活発化していきます。

本土でもおしゃれなカフェが2・3軒、続け様にオープンしたり
この頃は本当に凄かったです。
地方新聞にもこのラッシュが掲載されたのを見かけました。

また全国的にも有名な
ストライプインターナショナルさんが主催する
ストライプマルシェもこの頃で、2年続けて行われました。

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アパレルの会社だけあって出店するお店もおしゃれなら、来場者も皆おしゃれ。
鮮やかなコーラルレッドのワンピースに白いハットをかぶった女性が
港を背景に楽しそうに歩いていたのが印象に残っています。

島を盛り上げたい自分からすると、
沢山の人で活気あふれる島の様子はとても楽しく、
2日だけの限定的な夢の様な、理想の光景でした。


若さゆえの無駄な焦り。

話は少し遡って。
あーでもない、こーでもないなんて家族と話していた2014年頃、
京都からやってきた一人の男性が
お店の先の岬でリボーンというカフェを開業されました。
もともと立っていた一軒家を改装した形です。

小さい頃は島内を探検するのが、遊びレパートリーのひとつだった私は
島の海岸という海岸は行き尽くしましたし、
冒険心をくすぐる隠れお稲荷さんなど、島のヘンテコスポットについては
嫁に来て30年ほどの母よりも詳しいと自負してます。

はじめ母から
「外輪にカフェができたらしいよ」
と聞いた時は、外輪のどこに?と疑問に思っていましたが
いざお邪魔してみると、その頃の風景が甦ったのです。
「昔きたことある!」

そしてそれと同時に、正直
めちゃくちゃ悔しいと思いました。

島のことがめちゃくちゃ好きだし、
島のいいところも沢山知ってる。
私はもっと昔からこの場所も知っていたのに。


今思うと、そこでお店をしようとか考えたこともなかったのに
ずいぶん勝手に嫉妬したもんだ
と思います。笑
対象にすることさえおかしくて本当に笑えます。笑
(馬鹿なの...?)(島のヌシなの...?)


わたしは勝手に、島で1番になりたいと思っていたし、
そのためにデザインを勉強したし、
加えて若さ故かなんでもできると思っていました。
(当時23歳くらい。今では若気の至りと感じてます。)

それが突然、外から来た人に奪われた(と思ってしまった)のです。
もちろん、この感覚はよくないのを頭では理解しています。
島の人間からすると歓迎こそしても
非難なんてしちゃいけない立場です。
でも、私は悔しかった。そして無駄に焦りました。


わたし、海の家やるわ。

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帰るたびに発展していく島の商業を見て、
いてもたってもいられなかった2、3年。
島のことを考えながら寝つこうとすると、頭が冴えてしまって
寝れなくなったり、悔しさが込み上げてきて泣いてしまったり。笑
我ながら熱い...。笑

そしてやっと、
デザイン事務所を2017年10月に辞めることが決まったお盆ごろ。
実家に帰省し開口一番「わたし、海の家やるわ。」
と家族の前で宣戦布告していました。

本当の戦いはここからです。
この敷地にどうやってお店を展開するか。
メニュー、価格、オペレーション...。
考えることは山積みですが、そのどれもが楽しく、刺激的。。
熱い熱い夏にむけた、熱い熱い戦いです。


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詳しくは次回に持ち越します!
最後までお読みいただきありがとうございます。
次回こそ具体的な準備のお話を書いていきますので
どうぞよろしくお願いします!

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