たばことお酒と父と母
私は、たばこを吸ったこともなければ
お酒は全く飲めない。
仕事をする上で、お酒は飲めた方が良かったりもするのかもしれないが、私は、その日の体調次第で、すぐに動悸がして具合が悪くなってしまう。
「とっても付き合いの悪い体で生まれたものだ・・・」
なんて思ったこともあったが、たばこやお酒には、あまりいい思い出はないから、こんな体質に生まれてきて良かったとも感じる。
たばこと父と母
私の父は、40代半ばまで、たばこを吸っていた。煙をもくもくさせながら、たばこを吸っている父を横目に、なんだかいい気分ではなかった。
母はよく、父にたばこを辞めるよう諭していた。
でも、たばこはそう簡単に辞められるものではない。言っても言っても、辞められない様子に、母の心は、相当傷ついたことだろう。
そんなある時
私は母がたばこを吸っているのを目撃した。
ずっとたばこを毛嫌いしていたにも関わらず、母がたばこを吸っている姿は、なんだか、母の悲しみを表しているようだった。
きっと、父がたばこを辞めるよう諭しても、なかなか辞められない様子を見て、自暴自棄になり、自分もたばこを吸ってみようと思ったのかもしれない。
たばこをあっさりと辞めた日
実は、私の父は40代半ばのある日を境に、ぱたっとたばこを吸うのを辞めた。
とても不思議な感覚だった。
本人曰く、「風邪を拗らせ、咳が止まらなくなり、たばこが全く吸えない期間が2週間続いたら、風邪が治った時には、もう吸わなくていいかな?って思った」とのことだった。
おそらく父は10代からずっとたばこ吸い続けてきた。
そして、それが母の心を傷つけ、母がたばこを吸ってみようと思わせるまで、頑として禁煙ができなかった。
そんな父が、たったの2週間で、いとも簡単にやめてしまうなんて・・・
私には、とても信じられなかった。
しかし、あの日以来、父は一切たばこを吸っていない。
2週間で辞められるなら、母にたばこを吸わせてしまう前に、ひどい風邪でも引いてくれれば良かったのに・・・
なんて、娘の私は思ってしまうのだが、たばこを辞めた後の父の方が、とても明るくて、健康にも気をつけるようになって、食事も美味しそうに食べていて、なんだか、私もより一層父のことを自慢げに感じる。
お酒と父と母
私の父は、お酒も大好きである。
父の家系は、酒豪が多く、私の祖父は昼間っから、仕事もせずに一升瓶を片手に、お酒ばかりを飲んでいる人だった。
そんな血を受け継いでる父なものだから、父はお酒にとても強い。
こんな家系に生まれたにも関わらず、私は全くお酒は飲めない。それは、確実に母の血筋であることは間違いない。母の家系は、お酒が飲めない人ばかりなのだ。
たばこは40代半ばであっさりと辞めた父でも、受け継いだ血に勝てないもので、お酒はどうしても辞められずにいる。
それを横目に、母は、あまり良い顔をしていない。
そんな生活習慣が祟ってか、父は50歳になり大きな手術を受けることになってしまった。
手術は成功したが、その後、父は50代で糖尿病を患ってしまった。
だから、今の父は禁酒中の身である。
一人で糖尿病と戦うのは辛いだろうからと、私も母も、一緒になって甘いものは我慢している。
でも、願わくば病気になる前から、父には健康に気をつけて欲しかったと思ってしまう。
自分の健康は自分のものだけではない
私は父と母の関係を見たり、自分自身が30代を迎えたりすることで、「健康」に対する考え方がどんどん変わってきた。
20代半ばまでは、食べ物や生活習慣が悪いがゆえに、病気になってしまっても、自業自得だと感じていた。
でも、今はそう思わない。
そんな私は、父が手術を受けることになった日や、糖尿病と戦っている様子を見ながら、母の悲しそうな表情を時々、目撃し、心が傷んでいる。
例え親から自立し、独身であったとしても、必ずどの人にも、最低一人は自分を大切に思ってくれている人は存在する。
だから私は、自分の健康は自分のためだけのものではないと、最近、強く感じるのである。
健康な体は、親から頂いた、とても素敵な贈り物であり、お金では絶対に買えないものである。
だからこそ、私は自分の体と大切にしたい。それは、自分のためでもあり、私を大切に思ってくれている、愛する人々のためになると思うから。
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