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生きにくさの裏にあった同調圧力

「同調圧力の正体」という本を読みました。

同調圧力の正体 (PHP新書) | 太田 肇 |本 | 通販 | Amazon

実は、同調圧力という言葉自体にあまり馴染みがなかった私。
ある時、『誰かがこの町で』という本を読んだところ、(ネタばれになるので詳細は言えませんが)見えない何かの存在が気になって仕方なくなりました。
そして、それが同調圧力であることに気が付きました。


同調圧力とは

自分が属する集団や共同体において、法律や目に見えるルールにはなっていないものの、従わなくてはならない規範や無意識の空気みたいなもの。

人が周囲に同調するのは本能的なものであり、集団で生きていくための知恵といえるのかもしれません。

そのため、同調圧力には「功」の面があります。
駅で電車を待つときに順序良く整列したり、近所であった人にあいさつしたり、コミュニティにおける良好な関係を保ち、和を乱さないメリットがあります。

一方で、「罪」の面のほうが日常生活では強調され、マイナスの意味合いが強いと感じます。
会社ではビジネスライクな格好をしなければならないことや、定時上がりする人は協調性がないとみなされる風潮。コロナ禍では、屋外や対話する際にマスクをつけないと白い目で見られたり、子供の外遊びですら気が引けたものです。

その背景には、次の3つの要因があり、日本の古くからのムラ社会や閉ざされた集団を作り出す社会の在り方が関係しているとのことでした。
①心理的閉鎖性
②同質性
③個人の未分化
日本は共同体意識が強く、それがイデオロギーとしての共同体主義になってしまっているとのことです。

違和感の正体

実は、私は昔から会話中の同調が苦手でした。
女の子同士って「うんうん、わかるー」「私もー」みたいな共感が多いですよね。共感はOKなのですが、ある子が話したことに対して「違うな」と思っても異句を唱えることがはばかられる雰囲気に違和感を感じていました。
それは、相手への配慮でもなく、その場を乱さないためのある種の空気。
そして、その流れで「それって必要?」と思う行動へと、「仲間(集団)」で動いていくこと、それについていく自分が嫌でたまりませんでした。
当然のことながら、「私はいいや」なんて言えるわけもなく、その逆らえない空気に持っていかれていましたが(笑)

なんでそこに生きにくさがあるの?

前回の記事で、第三者から見ると「嫌ならやめれば」と簡単に言えるものでも、本人にとっては断ることが難しいのは、そこに同調圧力の影響があるからかもしれません。

同調圧力の結果、自己の感情は抑制され、いやだったという記憶が残ります。しかし、そこで身に着けたルールは内在化されます。その規範意識と感情の差が生きにくさにつながっているんだと思います。

3つの戦略方法

本には、その対処方法として3つの戦略が挙げられています。


①構造改革戦略
 組織の閉鎖性をなくすために、組織に異端児を入れたり、出入りを増やしたりすること。
 個人でできることは「多次元的な居場所を持つこと」と「個人の役割や分担を明確に定め分化すること」

②適応戦略
 規則を徹底して守ることで、圧を交わすこと。また、準拠集団を組織の外に持つことで、心理的閉鎖性から解放される。

③共存戦略
 役割と行動を切り離し、役割を徹底して行動に対する文句を言わせない。また、同調よりも「協力」という自発的、積極的な連帯を学ばせることである。

学びと決意

現在、育休中でありながら、大学院で研究に励む自分にとって、これらの戦略は大変いい学びになりました。4月に仕事復帰するかどうかという迷いの原因の一つは、同調圧力だったからです。

大学院という居場所があり、励みがあるから、組織の圧に屈せずに頑張れるかも。
休暇やマネージャーの役割は、組織や社会のルールに従おう。
定時上がりや時間休暇などの権利を利用するためには、仕事の役割はきっちり果たそう。
そんな決意にもつながりました。

【今日の問い】
同調圧力に屈さないために、今私がとれる行動は?
同調圧力の「功」の部分を活用できる手段とは?

おきゅん

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